SUB:御町内特撮救助隊SFXボイジャー(123L)
RE:742
ロビー。
突然鳴り出す火災報知機に、ロビーの乗客達がどよめく。
フロントに駆け寄るオオツカ警部。

オオツカ
「どうした!?」

フロント・マネージャー
「火災報知機が作動してます…(モニターを見る)…ラッセル博士のお部屋です!」

オオツカ
「何ッ!!」

駆け出して行くオオツカ警部。その後から私服の警官達が続く。

ラッセル博士のキャビン。
駆け込んで来るオオツカ。部屋中白煙に包まれている。
倒れている博士とワーゼス。博士を抱き起こすオオツカ。

オオツカ
「博士、ラッセル博士!!しっかりして下さい!!」

ラッセル
「…マックスベリーが……」

オオツカ
「何ですって!?…(やって来た警官を見て)…君、博士達を頼む!」

警官
「分かりました!」

警官に博士達をまかせ、廊下を駆け出すオオツカ。
走りながら腕のコミュニケーターでワンディムを呼ぶ。

オオツカ
「ワンディム、発着ポートの出口を封鎖しろ!マックスベリーが奪われた!!」

ワンディム(声)
「了解!!」

発着ポート出口。
ワンディム達3機がそれぞれの出口を封鎖する。
ワンディムが周りの人々に事情を説明する。

ワンディム
「市民のみなさん、只今、ブライトネス・オブ・クラウド機内において事件が発生した模様です。しばらくの間、発着ポート入口は封鎖されますがご協力をお願いします。皆さんは危険防止のため、警官隊の誘導に従い、安全な区域まで退避してください。」

一斉に退避を始める人々。と、センサー感度を上げていたサーディー。

サーディー
「ワンディム、トゥース、上空から高速で接近する飛行物体を捕捉しました!」

ワンディム
「何ッ!?」

上空を見上げるワンディム、トゥース。
空の彼方で何かが強烈な反射光を発する。凄い速度で急降下してくる物体。

トゥース
「ロボットだ!!」

黒い機体を持つ、コウモリの様なロボット!小型ヘリコプター程の大きさである。

ワンディム
「警部、上空からロボットです!B.O.C.の後部デッキに着艦すると思われます!」

B.O.C.機内。
廊下を走るオオツカ警部。その後に私服警官が続く。

オオツカ
「(ワンディムの連絡を聞く)…何ッ!?(ハッとして)…エアロ・デッキだ!!」

サンルーム。
トランクを持ったタバタ、そしてドクター・ジャンク。

タバタ
「(サンルームのガラス天井を見て)…旦那様、まいりました…」

エアロ・デッキに降りるコウモリ・ロボット。物陰に隠れるジャンクとタバタ。

その途端、ロボットの胸が開き、バルカン砲がサンルームとデッキを隔てる強化
ガラスの扉に撃ち込まれる!!凄まじい音共に、粉みじんにガラスが吹き飛び、サンルームの中に、硝煙と共に風が吹き込んでくる。

隠れていたジャンクとタバタ、コウモリ・ロボットに乗り込むべく、エアロ・デッキに出る。ロボットに手をかけるジャンク。と、その瞬間!

オオツカ
「待て!…お前達、一体何者だ!?」

ジャンク達を取り囲むオオツカと警官達。

ジャンク
「ご苦労だったな、警視庁の諸君、私はドクター・ジャンク、全特撮界の支配者だ!」

オオツカ
「…ドクター…ジャンク。……先日来のロボット犯罪も、お前の仕業なのか?」

ジャンク
「その通り。私の科学力の偉大な証明だ!…(ニヤリと不敵な笑みをこぼす)……マックスベリー、頂いて行くぞ!!」

ロボットに乗り込むジャンクとタバタ。

駆け寄るオオツカ達に、ロボットから白煙が噴射される。
もうもうたる白煙。飛び上がるロボット!!

オオツカ
「しまった!…(腕のコミュニケーターを使う)…ワンディム、ロボットが逃げた!不時着させて乗員を逮捕しろ!!」

発着ポート入口。

ワンディム
「了解!!…(トゥースを見て)…頼むぞ!!」

トゥース
「まかせて下さい!!」

上方に向けて、腕のアーム・バルカンを連射する!
上空のロボット、その右翼に命中!右翼が忽ち穴だらけになり、細かな破片が飛び散る!翼の先端部分が折れ、落下する。

道路に停めてあった乗用車を押し潰す破片!
バランスを失ったロボットはきりもみ状態になる。
しかし、水面すれすれで体勢を立て直すと、そのまま海中に突っ込む!!

トゥース
「しまった!!…あいつ、あの程度の損傷では、飛行に影響がなかったのか…」

ワンディム
「…逃げられたか…」

オオツカが警官達と発着ポートの入口から出てくる。ワンディムを見上げる。

オオツカ
「ロボットはどうした?」

ワンディム
「申し訳ありません、警部。機体に損傷は与えたのですが、逃げられました…」

オオツカ
「そうか…(ロボットの沈んだ海面を見つめる)…ドクター・ジャンク、恐るべき奴だ…」


〜 つづく 〜

~ 初出:1994.05.29 Nifty Serve 特撮フォーラム ~

Copyright: ohshima 1994, 2018