旧作資料館 Part-1


 旧作資料館

フライングボーイ・ケン(1992)

"KEN",THE FLYING SUPER BOY(1992)

発明好きの少年が、自ら作った人体強化スーツを身に着け、ロボットによる世界支配を企む謎の天才科学者の陰謀に敢然と挑戦する!って、熱血冒険活劇であります。細かい設定だとか、企画の断片だとかは、そのまま『SFXボイジャー』に持ち込んでる部分もあります。敵役、アッターマイン教授のネーミングはオチャラケてるけど、結構ありそうに聞こえて気に入ってました(いやはや…)。

フライングボーイ

フライング・ボーイ

これが主人公のフライング・ボーイ。発明好きの少年、シラトリ・ケンがアッターマイン教授の陰謀に挑戦するため、自ら開発中の人体強化スーツを、祖父である世界的航空宇宙工学の権威、シラトリ・ダイサク博士の全面的な支援の下、強力にパワーアップしたって設定です。やっぱ強化スーツは外骨格じゃなきゃダメだろうってんで、昆虫的なイメージでデザインしてます。頭部の装甲が手抜きなのは、キャラクター性を重視した結果です、あくまでも(いやはや…)。


フライングボーイ飛行形態
フライング・ボーイの強化スーツは、ケンが装着していない状態では「レクター」って名前の人工知能ロボットにしようと思ってました。レクター が変形して強化スーツになる訳ですね。背中の羽根は戦闘時にはジャマなので、2段伸縮で折り畳めます。


レクター
これがレクター。人工知能を搭載してるんで、かなりファジーな指令にも対応できるし、ある程度自分で判断して行動ができます。 ケンからの出動指令を受けると…


ソニック・ムーバー
シラトリ研究所の屋上に設置された高速射出砲「ソニック・ムーバー」が、カプセルに入ったレクターをケンに向って射出するってワケです。コレはリニア技術を応用した装置で、本来は月面から宇宙ステーション建設現場へ、資材を射出するマスドライバー (Mass driver) として開発されたっていう設定です。とにかくこの作品では、こういった、近未来に実用化されるであろう(実際はともかくですね)技術までの範囲で、いかに変身ヒーローを作れるかって処にこだわってます。


フライングボーイ・ジェットパック
フライングボーイ・ジェットパック(クリックで拡大)

フライングボーイのジェットパックは、2基のメインエンジンと姿勢制御用ミニジェット、クリスタルフェザーと呼ばれる耐熱強化樹脂製の可変飛行翼から構成されてます。2基のメインエンジンは小型ながら1基が約2トンの推力を持ち、フルパワーでは中型トラックを吊り上げるほどのパワーがあるっていう設定です。フライングボーイに装着された状態では、マッハ0.9の亜音速飛行が可能ですが、高速飛行状態では呼吸が出来ないため、最高速での飛行は約2分間が限度っていうリアルなリミッターがついてます(いやはや⋯)。

テックス・グリセリウム細胞組織
テックス・グリセリウム細胞組織(クリックで拡大)

フライングボーイの強化スーツはテックス・グリセリウムという電子可塑性強化筋肉(装着者の脳波連動で電子制御可能な強化筋肉素材)に外骨格のハイブリッドプロテクターが装着された複合素材で形成されてます。テックス・グリセリウムはスーツの装着時に装着者の身体を包み込み、装着者の筋力を飛躍的に向上させるのと同時に、バリヤーの役割も果たして装着者の身体を熱や衝撃から保護するって、言わば部分入れ歯の安定剤みたいな設定です(いやはや⋯)。


プロテクション・スーツ装着イメージ
強化スーツ装着!

スーツの装着時もテックス・グリセリウムの可塑性を使って装着者の周囲にスーツを展開、一気に収縮させて瞬間的にスーツを装着するいわゆる「変身」を可能にします。

インフォバンド 強化スーツ転送システム
インフォバンド / 強化スーツ転送システム(クリックで拡大)

インフォバンドはケンが左腕にしている腕時計に似た多機能コミュニケーター。フライングボーイの強化スーツを装着するための変身装置で、コーティングレシーバーとも呼ばれます。

元々はケンの発明した個人用情報収集装置で、ネットワーク接続、コミュニケーター、ナビゲーション、データベースの機能を持ち、どんなところでも個人が必要な情報にアクセスできるようにつくられてますが、フライングボーイとなるにあたって、ケンは更に位置確認用の特殊電波発信装置や、メタモルフォーザーと呼ばれる強化スーツ装着システムを付け加えて機能強化してます。インフォバンドは太陽電池を電源に使用しており、本体左側に大型の太陽電池を装備。

ソニック・ムーバー
ソニック・ムーバー (クリックで拡大)

リフティングウェイ 射出カプセル
リフティングウェイ / 射出カプセル

レクターの射出システムは、シラトリ研究所の屋上に設置されている高速射出砲、「ソニック・ムーバー」とその下に設置されているナビゲーション・コンピュータ・システムから構成されてます。研究所のパラボラアンテナがケンの呼出信号をキャッチすると、射出カプセルに格納された飛行形態のレクターがドックからリフティング・ウエイを通ってソニック・ムーバーに装填されます。そしてナビゲーション・コンピュータが呼出信号から射出位置を計算、射出カプセルをソニック・ムーバーが高速射出します。レクターは射出後にカプセルをパージ、飛行状態に入った後はレクターが呼出信号を基に常にケンの位置を把握しながら飛行コースを設定して行きます。

飛行形態のレクターはマッハ7の超音速飛行が可能で、ケンの呼出信号受信後、研究所から50km以内であれば、30秒以内にケンに強化スーツを装着することができます。

シラトリ研究所
シラトリ研究所は、シラトリ博士の私設研究所であり、フライングボーイの基地でもある国際的な研究施設。航空宇宙工学の研究所として世界的にその名を知られており、数々の画期的な開発、研究を行って来ました。屋上にレクターの射出カタパルトを装備しており、ケンからの呼出信号に応答して強化スーツの射出転送を行います。強化スーツは普段、この研究所内にあるフライングボーイオペレーションルームで管理されてます。


青葉台
舞台となるのは21世紀前期の東京です。国家的な都市再整備プロジェクトによって東京近郊に誕生した新開発モデル都市、青葉台。中央にそびえるのが街のシンボル、地域の電気、地区冷暖房、上下水道等を集中管理するランドマーク・センター。


ケンの家室内
青葉台中学校 教室
当時考えた美術設定。青葉台住宅街にあるケンの家(上)と、ケン達の通う青葉台中学校(下)。「夢のある未来」をコンセプトに、すっかりすたれてしまった、明るい未来都市の再生を目指していました…

ブラウザス1 ブラウザス2
アッターマイン教授の移動基地となる大型潜水母艦ブラウザス。全長約200mという非常に大型の潜水艦。高性能核融合エンジンによって、4年間のエネルギー無補給航行が可能って設定です。内部にはアッターマイン教授のメカニック製造工場があり、戦闘ロボットや侵略作戦用巨大メカニックが建造されます。この潜水艦は後に「SFXボイジャー」でそのままドクタージャンクの潜水母艦として登場しました。


フライング・ボーイと仲間達
フライング・ボーイと彼を支える仲間達。幼馴染みのガールフレンド、カワシマ・ミドリは後に物語のキーとなる少女。


Type-zero1 Type-zero2
広場

フライング・ボーイTYPE-ZERO

ケンが一人で開発を始めた頃のフライング・ボーイ・プロトタイプ。電子機器を搭載したヘルメットとプロテクターに自作のジェットパックを背負い、自宅近くの広場で日々実験を繰り返していた。


ダリウス ダリウス飛行ユニット合体

ダリウス

アッターマイン教授によって創られた対フライング・ボーイ用アンドロイド。アッターマイン教授が自らの名をつけたことからも分かるように、教授の分身ともいえる存在である。彼もまた人工知能を搭載し、自らの意志によって行動することができる。更にフライング・ボーイ同様、飛行ユニットとの合体によって亜音速飛行も可能。

アッターマインの日本混乱作戦の行動隊長として、巨大メカニックや戦闘ロボットの指揮をとって作戦を遂行する。当初はアッターマインの忠実な部下として行動する単なる作戦遂行者に過ぎなかったが、様々な経験をする内に徐々に自我に目覚め始め、フライングボーイの強力なライバルとしてケンの前に立ちはだかる。フライングボーイとの戦いの中でケンのガールフレンドであるカワシマ・ミドリと出会い、ミドリに心惹かれて行く。悪の心を持つもう一人のフライング・ボーイ。


アッターマイン

アッターマイン教授

世界征服を企む謎の天才科学者。オーストリアの首都、ウィーンに生まれる。ロボット工学、電子工学に天才的な才能を見せ、スイスに留学後、国連ベルン科学アカデミーでもシラトリ博士と並んでめざましい研究成果をあげた。しかし、何度となく超兵器や戦闘用ロボットの開発を行うなど、性格的には極めて野心的で、後に、平和目的に設立された科学アカデミーにはふさわしくないとして、アカデミーを除名されている。

アカデミー除名後は、研究の表舞台から姿を消し、太平洋上の孤島で超兵器や戦闘ロボットの開発に没頭していた。大型の潜水母艦を基地に、超テクノロジーによる世界征服を企み、手始めに日本をターゲットとする。冷静沈着だが、何時も肝心なところに抜けがあり、フライングボーイに敗北を喫している。どこか憎めない性格の持主。

「SFXボイジャー」に登場するドクター・ジャンクの原型とも言えるキャラクター。






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