「店主の新たなる悪企み」の巻(1997.03.18)
当店では例によって、またまた気まぐれ店主の悪企みが進行しております。今回、この事実を公にし、警鐘を発する目的で、非常な危険を犯し、極秘裏に証拠写真を入手致しました。
悪企みは通称"OMIYAGEプロジェクト"と呼ばれ、何と看板娘人形を量産、御来店の皆様に頒布しようという、ショッカーの如き恐るべき作戦です。現在、既に油土による原型が完成。石膏による複製を行って細部を修正するものと思われます。
一応、シチュエーションとしては貞本義行氏が綾波レイの人形作るのと、おんなじ事になるはずなんだが...なんかかなり違うゾ(トホホ)。
気軽に飾れる様に、銀行のキャラクター貯金箱みたいな親しみあるデザインを目指したつもりですが、果たしてその結果やいかに?
身長約21cm。丁度小振りなソフビ人形位の大きさです。最終的にはキャストで複製してキット形式で頒布しようと考えているんですが、なんせ気まぐれな奴なんで、完成は未定です(いやはや…)。
ツァイスのヘッドルーペと家庭画報(1997.03.27)
いろいろヘンなモノがころがってる事務室の中には、こんなのもあります。カールツァイスのヘッドルーペ。要はハンズフリーの虫眼鏡なんですけど、工作したりする時、両手が自由に使えるんで結構便利です。メガネをしたままでも使える親切設計。何年か前に、銀座の伊東屋って大きな文房具屋さんで買いました。国産の類似品にはカケラもない、独特の存在感が凄いです。
コレってデザインの雰囲気から分かるかも知れませんが、かなり昔からこのデザインで製造されてるみたいで、実は私がこのヘッドルーペの存在を知ったのは、まだ子供の頃に見た家庭画報の中でした。
家庭画報って知ってます?あの奥様が読む大判のグラフ雑誌。異様にデカいし、妙に重くてこんなん立ち読みできないゼって、アームクラッシャーな凶悪雑誌です(笑)。今は紙も印刷もペラペラになっちゃって、なんかすっかり普通の雑誌に成り下がっちゃいましたが、十年程前までは、こういうモノ系の紹介が藤塚光政氏の写真で掲載されちゃう様な、かなり先鋭的な編集をしてました。写真が綺麗だったんで、母親が買ってたのを横取りして読んだりしてたんですが、思えば私のこういう"モノ"への興味って、この雑誌が培った感もありますね。(店主:談)
1997.03.31補足:
先日久しぶりに伊東屋へ行ったんで、ついでにこのヘッドルーペを探してみたんですが、なんとモデルチェンジしてました。今度のは白に近いグレーのプラスティック製で、デザインは今風になってましたが、非常にチャチになっててがっかり。デザインの国ドイツにも、コストダウンの嵐は大いに吹き荒れている様であります。
最近の出来事から(1997.04.06)
最近印象深い出来事をいくつか。
まずは既に皆さん御存知の事だと思いますが、東宝の田中友幸プロデューサーの死ですね。テイストは異なるかも知れませんが、氏は、本質的な部分では日本のロジャー・コーマンの様な方じゃないかと思ってます。
一般には本多猪四郎監督、円谷英二監督と並んで、日本特撮映画の立役者として奉られる事が多いんですが、当然の事ながら、氏にとって特撮映画はビジネスの手段であり、決してそれ以上でもそれ以下でもなかった事でしょう。まぁ、プロデューサーという立場から言えば至極当然のことですが。
時代が特撮映画を要求し、コンスタントな配収が得られたからこそ、特撮映画を制作したのだし、怪獣バトルを煽り、ゴジラをヒーロー化したんでしょうね、きっと。基本的にかなりシビアな現実感をもった方だったと推察します。そういう意味では、プロデューサーとしての手腕は、確かに凄いと思うのですが…
もう一つは、「ティガ」を撮る実相寺昭雄監督です。「なぜ今、実相寺監督なのか?」というのが正直な感想ですが、反面、興味本意な部分で観てみたいという欲求もあります。
とりあえず2本撮ることが決定したらしいんですが、実質、監督のオフィスである「コダイ」のスタッフで制作するらしいですね。これが監督登板の交換条件であるのかどうかは、定かではないのですが、シリーズ作品としては非常に異例です。
先日他界されたらしい大木淳吉(大木淳)監督がご存命であれば、特技監督は決まりだったでしょうが、とにかく怪獣も池谷仙克氏がデザインするそうですし、脚本は「エヴァンゲリオン」も執筆し、監督とも組んだ経験のある脚本家(薩川昭夫氏か?)が執筆する模様なので、従来のスタッフを徹底して排除(?)する方向で制作が行われる様ですね。
これが意味するものは一体何なのか?何だか邪推を呼びそうで、出現する作品と、それが以降の「ティガ」に与える影響が、非常に興味深いですね。