2000年の春頃に発売されたユージンのカプセルトイを使ったガンバロンとダイバロン。小さいけど仲々の出来で、ガンバロンのリアル造形商品って実はこれが初めてではなかろうか?非常に嬉しいですね。ちなみに身長は双方とも8cm程です。
私、以前からガンバロンって好きでした(いやはや…)。最近ではDVDボックスも発売され当時のリアル視聴者の成長と共に認知度も上がっておりますが、それまでの十数年間というもの殆どの特撮ファンすら観たことないという冬の時代でしたっけ(いやはや…)。ドラマやストーリーについてはあちこちのサイトでも詳細が出てますんで、ここではキャラクターやコスチューム中心にコメントを。
ガンバロンは"実写版鉄腕アトム"(…っていってもテレビドラマ創成期の、例の松崎プロのヤツじゃなくって、文字通りの意味で、ですけど)がコンセプトらしいんですが、キャラクターはキューピットがモチーフになってるんでしょうか?背中のウィングとかふっくらホッペのマスクとか、なんかそんな感じです。身体の随所につけられたボタン状の装飾もリズミカルで、何となくフォーマルな感じもあって、ちょっとおしゃれ。カラーリングは夏場見るとちょっと暑そうですけど(いやはや…)、まぁヒーローしてますよね。顔の部分は映像でみると意外な程白っぽいんですが、もうちょっと肌色っぽい方がバランスとれるような気もします。
ちなみにキャラクターデザインはガンバロン、ドワルキンが東映動画のアニメーター出身(ガンバロン以降も"花の子ルンルン"、"スペースアドベンチャー コブラ"等で作画監督や原画を担当)で、当時はスタジオシップ所属だったらしい札木幾夫氏。ダイバロンは円谷プロ作品でもおなじみ山口 修氏。造形は大映-エキスプロ出身の美術マン三上睦男氏が代表を務めた、今はなきコスモプロダクションが担当。さすがキャラクターとしての完成度は高いです。
特にガンバロンは子供って事で頭身が低くて頭が大きいんで、普通だと首の部分の処理が難しくなるところを大きな襟でカバーするという巧みなデザイン処理が施されています。おかげでガンバロンのマスクは前後分割なしのフルフェイスヘル型。背中もさびしくなりがちなところをウィングでうまく補って、どっからみても隙のないデザインになってます。ブーツも頭とのバランスを考えて特製の大きなもの。どうやら靴底は結構厚いらしく、足を長く見せてスタイルを良くしようという意図があるようです。
ダイバロンの方はバロンシリーズ伝家の宝刀"秘技 でっかい手足"と極端に小さい頭部のアンバランス感覚が、逆に奇妙な造形的リズムを生むという、特撮ロボットの1方向を極めた日本現代企画の流れを汲む創英舎ならではのデザインが秀逸。両肩の回転ノコギリが結構物騒な雰囲気を醸し出してます。合体シーンからすると、この巨大なノコギリはヒライダーの胴体内部に格納されてるハズなんですが(いやはや…)。操縦席のある腹(というかヘソ)の部分が構造的な弱点らしく、26話ではこの弱点をドワルキンに看破され、合体を破られてしまいます。
ガンバロンのコスチュームはアクション担当の大人用(演技者は1〜26話が若駒の車 邦秀氏、27話以降が大野剣友会の湯川泰男氏、6話ラストではムッシュ役の黒部 進氏も着用。)と、人物とのからみのシーンに登場する原寸大(?)の子供用(1〜26話が久保勇一氏〔他の作品ではお名前を拝見しませんが、主演の安藤一人氏と同年代(中1位?)の子役の方だったそう。〕、29話では天道 輝役の安藤一人氏が着用していた模様。ちなみにダイバロン搭乗時もマスクがヘルメットに変わる以外は同じコスチューム。)の2種類。子供用のマスクには開閉できるようにするためか、口の部分に腹話術の人形のような切り込みが入っていましたが、劇中では口を開閉させるシーンはありません。また、大人用のマスクでは切り込みが省略されています。
目の部分は何とも複雑な形に面取りされたクリアパーツですが、反射板が取り付けられているだけで電飾はありません。ここぞという時に発光するシーンではシルバー仮面同様、写真撮影用のフラッシュバルブが使用されています。ウィングやバックルもFRP製のアップ用(FRPのウィングは重量があるせいか激しい動きをすると外れてしまった様で、6話で警官隊に捕まってしまうシーンではウィングが落ちてしまってます。後のエピソードになると大分傷が増えてきますが、赤のペイントが剥げると白が出ていますので、赤の発色を良くするために下地に白を塗っている様です。)とゴム製のアクション用の2種類が存在。ウィングはベルクロ(いわゆるマジックテープ)を使って背中に固定していたようです。
布製のインナースーツは子供用は1種のみだったようですが、アクションに使用される大人用は最低2種あったようで、腹部のボタンが8つあるもの(基本は4つ)も併用されています。インナースーツは丁度 腹の部分で上下が接合されており、ウェストを絞るための縦方向の継ぎ目も相まって、ウェットスーツのプロテクターでカバーされていない部分に継ぎ目が集中してしまうので、アップになると結構目立ちます。
ガンバロンの声は3〜13話が当時テレビドラマ等でよく見かけた中越 司氏(長じてから舞台美術家となり、蜷川幸雄作品の美術を数多く手がける大活躍を見せておられます。当時は素顔もちょっと頼りなさそうな、身体弱そうな(失礼!)な雰囲気でした)、それ以外は安藤一人氏の担当ですが、メカを呼ぶ時の「コチャコーイXX」とか飛び立つ時のかけ声とかはシリーズ前半ケンダマ役で出演していた内海俊彦氏。良く聞いてるとシリーズ初期の戦闘シーンではデスク役の古川清隆氏も「エイ!」とか「ヤー!」とかのかけ声を担当してます。
中越氏の声に関しては、ちょっと人工的な感じがアトムっぽくていいんですが、7話、8話での絶叫が、ヒーローにあるまじき壮絶さ(いやはや…)で、結構なインパクト。トータル的には安藤氏の方が安定感がある感じですね。変身後に声まで変わるというのが結構それっぽくて良かったんですが、結局コスト削減の対象になっちゃいましたね(いやはや…)。
ガンバロンに関する情報はこちらのサイトで…
脚本家長坂秀佳氏ファンのためのホームページ
ガンバロンのメインライター、長坂秀佳氏の仕事をまとめたサイト。詳細なデータはさすが。太陽の友達!「小さなスーパーマン ガンバロン」
PC関連ライター、美崎 薫氏のページ。こちらもデータ充実!