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灼熱の星に雪が降る(by 加東大介)(1998.07.12)
第44話「金星の雪」(脚本:長谷川圭一 監督:村石宏實)

 いかにも長谷川さんらしいお話でした。登場人物のセリフのアツい事と言ったら(いやはや…)、もう金星の灼熱地獄に勝るとも劣らない熱血ぶり。

 個人的にはこういう話って結構好きなんですよ。前半の「クラーコフ金星突入〜グライキス襲撃」辺りの緊迫感の盛り上げ方なんかは、さすがでしたし。ただ再突入以降はどうも…ちょっと思考がアスカしちゃって(いやはや…)強引さが目立った気がします。私見ですが、最初クラーコフで降りといて、そのあとイーグルってのは、やっぱり不自然じゃないかと。クラーコフは基本的に母艦じゃないかと思う訳です。環境的にハードな惑星に、母艦でいきなり直に着陸しようってのは、回収後の帰還行程を考えても、かなりリスキーな行動なんじゃないかと思いますが。費用の問題はあるにせよ、ゲストで着陸艇のメカが欲しかった処ですね。

 全体として観たときにちょっと満足感が低いのって、前半で比較的緻密な構成を取ってたのが、途中からその辺りを忘れてゴリ押しで物語を進めちゃった、そのエピソードとしてのカラーの変化に原因がある様な気がします。勢いで物語を引っ張る話なら、いっそ最初からそのテンションで行った方が、観てる側もノれる気はするんですけどね。前半で緻密な話だと思って観てると、後半の展開はちょっと違うカラーで、その辺りの変化にちょっと拍子抜けって感じかも知れません。

 マイケル=ヤキソバン=富岡氏は、これまた意外なキャスティング。ちょっとテンション高い時のセリフが気になりましたけど、全体的には結構好演だったんじゃないでしょうか?ただ折角のハーフの博士という設定を、物語の中で殆ど活かせなかったのは勿体ないですね。アドリブで英語のセリフでも入れてあげれば良かったのにね。

 ダイナとグライキスの戦闘はちょっと冗長な印象。もうちょっと危機感を煽る様な展開にしても良かった気はします。シチュエーション的にはそれなりにピンチだったんですけど、どうもイマイチピンと来ませんで(いやはや…)。それにしてもスフィア円盤のあの間抜けなデザイン・造形は何とかならなかったのかなぁ(いやはや…)。マペットじゃないんだから口開けて光線吐くのはやめてぇ〜!(いやはや…)

 スフィアからのメッセージが登場する等、一応シリーズ構成としてはポイントになるエピソードだった様ですが、今後この流れをどう収束させて行くのかちょっと楽しみですね。


幻のショータイム(1998.07.19)
第45話「チュラサの涙」(脚本:上原正三 監督:高野敏幸)

 注目の上原正三脚本。

 やっぱり今回も変化球的作品。いくら何でも「ウルトラの星」的なエピソードを続けて書く訳には行かず、結局「宇宙刑事シャイダー」で旧知の円谷浩氏を主役に据えた番外編という事になった様です。

 個人的にはもうちょっと真っ正面から直球勝負して欲しかったんですが、エピソードのカラーとしては「ウルトラ」以降、「イナズマンF」や「宇宙刑事シリーズ」果ては氏のTVシリーズ・ノベライゼーション作品等で繰り広げられた世界に近い感じがしましたね。

 ただやっぱりこういう「プレデター」みたいな世界を、参謀を主人公にして描くっていうのは、ちょっと話的に無理があったみたいで、物語に入って行く前に、シチュエーションで弾かれちゃうみたいな「居心地の悪さ」が終始付いて回った感がありました。今回のエピソードの中でのミヤタ参謀の扱いって、「若い主人公」的な描写に終始していて、ちょっと違和感が(いやはや…)。やっぱり「参謀」な訳ですから、もうちょっと「大人」の部分を出さないと、キャラクターとしての説得力に欠けてしまうのではないでしょうか?ミヤタ参謀の内面を描こうとした辺りは、確かに共感出来る視点ではあるのですが、語るべき内容が多すぎたのか、全体にかなり抽象的な内容になってしまっていて、作者の意図がうまく伝わり切らない恨みが残りました。

 構成的にもいきなり10年前の事件に対する尋問が行われる等、ちょっとリアリティに欠ける部分があったり(ミヤタの独白に持ち込むために、やむを得ずと言う雰囲気もあるのですが…)と、かなり窮屈でしたね。あと「トロンガー」のネーミングは、私はちょっと…(いやはや…)

 監督の高野氏は「電光超人グリッドマン」が監督デビューだと思いますが、結構手堅い映像ですね。

 今回登場のトロンガーは、なんかギミックだけって感じで、ちょっと消化不良かも。アゴの動きなんかは結構好きですけど(まぁ、エイリアンのパクリもありましたが…)、その他の部分があんまりに地味で、全体としては生彩ないです。何の目的があったのか良く分からなかったし(いやはや…)。

 全体としては、「どうもあんまり御大に無理を聞いてもらうのは、どうかな?」といった感じですね。やっぱり昔、「ウルトラ」を書いていた頃の「上原正三」はもういないんだと思うんですよ。氏にとって「ウルトラ」はもう過去のものであり、それよりも常に新しいフィールドで新しい題材にチャレンジしている方が、「上原正三」らしいとおもうんですがね。

★おまけ★
 次回作「ウルトラマンガイア」が発表されましたね。今回はストーリーに振った構成になるのか、俳優陣も渡辺裕之、平泉征とシブい布陣。脚本にも小中千昭氏が復帰するそうで、期待が高まりますね。ガイアと悪のウルトラマン、アグルはティガ系よりもダイナ系のデザインですね。ガイアはかなりパワード入ってますが(いやはや…)。いずれにしてもライバル系の話は燃える展開が相応しい。期待してます。


見ていたのは愛だ!(オオッ!)(1998.07.26)
第46話「君を想う力」(原案:円谷一夫 脚本:右田昌万 監督:原田昌樹)

 ぐはっ!(いやはや…)

 思わず言葉を失う驚愕の右田昌万主演作品!!いやぁ、遂にご本人登場ってのは、一体右田氏に何が起こったのでしょうか?でも仲々良かったですよ、今回のエピソード。今回の様な境遇が、社長の体験談であるのか、はたまた右田氏が劇中のヒラオ・テルヒサ氏のドッペル・ゲンガーであるかはともかく(いやはや…)、作者自らが登場人物を演じる「味」みたいなものが、うまく発揮されて好編になった感がありますね。多分今回は「役者」右田昌万の存在感がいい意味で起爆剤になってて、ユミムラこと斎藤りさ嬢の演技もリキ入ってましたね(特に白い花の存在を知らせるヒラオに辟易する辺りのリアルな演技は何?)。

 いやぁ、しかし右田氏はイメージピッタリでしたね(まぁ自分でホン書いてるから、やっぱりその辺はバッチリなんでしょうけど…)。あの得も言われぬ雰囲気は見栄晴氏を凌いで、平成のフクシン君に決定かも(いやはや…)。

 でも今回のエピソードは右田氏のリアリストの部分が上手く発揮されてて、劇中での子供達のセリフや芝居に例の「嫌味」が感じられなかったのは、とっても嬉しかったですね。天文台に居た子供達のツッコミもかなりリアルで、仲々いい感じでした。

 勝手な思い込みかも知れないですが、今回のエピソードって、やっぱり作り手側の「想い」が込められた作品だと思う訳です。まぁ例によって登場怪獣が何しに出てきたのか、はたまたなぜ松本なのか良く分からんとか、モチーフが毎回「花」なのはちょっとワンパだとか、ほじれば色々あるのかも知れないですけど、作ってる側、書いてる側が自分の作る作品に対して、ちゃんと想いを込めればそれは出来上がった映像から、観る側に伝わるんだって事、私は今回のエピソードから再認識出来たんですが…

 原田監督の映像は、今回もチラチラと拘りカットが散見されて好調な雰囲気。意外だったのが屋外で撮影された怪人のシーンの繊細さ。森の道で怪人が目を光らせながら迫って来るシーンなんか、仲々雰囲気があって良かったですね。

 モルヴァイアは円谷プロのWeb上でもデザイン画が公開されてて、ちょっと期待の一体だったんですが、実際の着ぐるみはちょっと太めになってしまって残念でしたね。もうちょっと腰が絞れるとカッコ良かったのにね。

 久々に右田氏の持ち味が(脚本・演技共に)発揮された佳作であります。

 

夏休み!「BBS」は危険が一杯!?(意味不明)(1998.08.02)
第47話「さらばハネジロー」(脚本:川上英幸 監督:原田昌樹)

 ついにハネジロー地球を去る編。

 ハネジローはファビラス星人のペット的存在(幸運を呼ぶ生物って何?)だった訳ですが、突然やって来た星人と一緒に去って行ってしまうハネジローはやっぱりちょっと唐突な感も(いやはや…)。ハネジローの謎の部分を、もうちょっとシリーズの中で描いておけば、まだ今回への伏線として活きたんでしょうが、今迄完全にスーパーGUTSのマスコット的扱いに終始していただけに、ちょっと強引に決着つけちゃったなぁって感じもしますね。一応今回のエピソードの中では、ある程度の整合性でもって「言い訳(いやはや…)」されてるワケですけど。

 でもこうやって去って行ってしまうハネジローの存在って何だったんでしょうか?今回も冒頭、ハネジローBBSが大盛況で子供達のアイドルってシーンがありましたけど、子供層へのウケ狙いに終始してしまったんですかね、結局。キャラクターとしては結構魅力的だったと思うんですけど、シリーズの中でその存在が活きていたかってって言えば、そうとも言えない部分も多かったし…個人的にはあんまり露骨に子供に迎合するのは、やめた方がいいと思うんですけどね。ハネジローとか、「スペゴジ」のベビーゴジラなんかもそうなんですけど、キャラクターとしてはそれなりの魅力がありながら、作品世界とキャラクターデザインの方向性とに、あまりにもギャップがありすぎて、結局本来魅力である部分が、思いきりマイナスに働いてる感があります。こういうのって非常に勿体ないですよね。やっぱりその作品の「世界」ってある訳だと思うんですが。

 話としては宇宙人基地潜入部分の緊迫感が、久しぶりの感覚で仲々良かったんですが、全体的には標準作でしょうか?

 等身のファビラス星人は、落し気味のライティングで見るとガイバーみたいで結構カッコいい。今回は善悪の掛け合いがポイントになってる訳ですが、双方の言動が余りに人間的で、ちょっと興ざめな部分も。分かりやすいんでしょうけど、やっぱり基本的に宇宙の異生物なワケですからね。たまには「SF」も観たいんですけど…

 エンディングのハネジローはスタッフのサービスでしたか。

 …っという事で、今回はちょっと短いですが勘弁ね(いやはや…)。


旦那さまは宇宙人(1998.08.09)
第48話「ンダモシテX」(原案:京本政樹 脚本:右田昌万 武上純希 監督:北浦嗣巳)

 ハヤテ隊長リターンズの一編。赤井秀和友情出演、京本政樹特別友情出演(!)による豪華演技陣大集合(いやはや…)の一作でした。しかもどうしてこの時期に?の武上純希戦列復帰(いやはや…)。

 やっぱり京本さんが原案書くとオイシイトコは全部持ってっちゃうんだ(いやはや…)。でもまぁ、今回も何を描きたいのか良く分からん話ではありました。とりあえず基本的には京本さんがカッコ良く目立てば全然オッケーなんでしょうけど(いやはや…)。

 今回の敗因(いいのかこんなコト言って)は、やっぱり「両雄並び立たず」「両者共倒れ」って「キンゴジ」以来の故事成語に象徴されちゃいますね(いやはや…)。どうもハヤテ隊長、今回も目立ちすぎだわ。とりあえずストーリーのアイディアとしては、それなりにペーソス溢れるもんだと思うワケです。主人公の普段の生活描写なんかはね。その辺りをもっとフィーチャーできれば、いわゆる「いい話」的要素って、もっと高められたと思うんですが、結局ハヤテ隊長は事件に絡まなければならないし、ポイント毎にしっかり活躍して、目立たなければならないっていう制作要件(いやはや…)の前には、ポイントのブレようは如何ともし難かった様ですね。

 基本的に自分が出て目立つのであれば、「ティガ」の時の様な、もっと正統派な話にしちゃった方が、いい様な気がしますね。結局他にいい役者を立てても、話のポイントが分散してしまって、印象が弱まっちゃいますからね。

 チャダビン星人はちょっと面白いデザイン、造形で注目。あの感覚は往年のナリタ・デザインの雰囲気かも。モゲドンも造形的には結構面白い怪獣でした。

 とりあえず「ダイナ」も通常エピソードは今回が最後。次回からはいよいよラスト三部作がスタートします。遂に「ティガ」のラスト三部作で暗示されたイメージ、「人造ウルトラマン」も登場するらしいので、長谷川さん渾身の脚本を期待しましょう。今回は三部作総てをお一人での執筆らしいんで、このシリーズをどうまとめるか、お手並拝見でございます。


史上最大の宿題(前編・いやはや…)(1998.08.16)
第49話「新たなる影」脚本:長谷川圭一 監督:小中和哉

 遂に始まった最終三部作。

 エピソードのテンションはノッケから非常に高く、緊迫感もあります。こういう緊迫感のある世界って、「ダイナ」にはもっと必要だったんじゃないかな?少なくともキーとなるエピソードで今回に匹敵する緊迫感、テンションが殆どないというのは、「ダイナ」というシリーズの「淡泊さ」に相当影響してたんではないかな?ってのを今回のエピソード観ながら改めて考えちゃいました。

 ただ、シリーズ構成崩壊という現在の状況では、ハイテンションな今回のエピソードでさえ、「唐突」「辻褄合わせ」という呪縛からは、最早どうストーリーを展開させようが逃れ様がなかったという事でしょうか?権藤参謀の反乱、人造ウルトラマン、リョウとアスカの関係等々、シリーズとしておいしい素材をこれほど持ちながら、それを最後の最後まで出しあぐね、ひたすら方向性の定まらないバラエティ話でお茶を濁してここまで来てしまった…何とも勿体ない。結局今になってこれらのネタを投入した処で、今迄殆どそういう伏線が張られていない状態では、「唐突」の感は拭えないのであります。

 エピソード単体として観ても、ちょっと1話にテーマを詰め込みすぎで、丁度八月も末になって宿題に殆ど手を付けてなかった小学生が、必死こいてスパートかけてるって、例えは悪いですがそんな印象です。ストーリー自体は長谷川さんの熱血な部分が良く出ていて、そういう部分はとっても嬉しく、また快感でもあるのですが…

 人造ウルトラマン、テラノイドはパワータイプの着ぐるみ改造でしょうか?個人的にはダイナよりこっちのデザインの方がシンプルで好き(いやはや…)。スフィアに乗っ取られてゼルガノイドになっちゃう辺りもナイス(またまたいやはや…)!二人のウルトラマンの内一人がこういう異生物にハックされて、レギュラーの敵側に回るって展開も面白そうですね(もひとついやはや…)。多分そういう展開の亜種として次作の「ガイア」は企画されたんでしょうが、ゼルガノイドの方がもっと直接的で面白いかも。

 ゼルガノイドは、形態にウルトラマンの部分が残ってるデザインが、仲々にエグくていいです。オオッ!口が動いた!初代ウルトラマン以来の快挙!!(いやはや…)火星上でのダイナとの戦闘は、もうちょっと重量感のある描写がほしかったですね。ちょっと素直に撮り過ぎで、アクションとしてのカタルシスなんかはそれなりに出てたのに、軽い感じがしてしまったのは残念。

 いずれにせよ遂に最終回へ向けての大きなうねりが動き始めました。果たして「ダイナ」というシリーズはどこへ行こうとしているのか?要注目です。


傷だらけの迷走(ちゃんとモトネタあり!)(1998.08.23)
第50話「太陽系消滅」脚本:長谷川圭一 監督:小中和哉

 三部作中編。

 う〜む、相変わらず力の入った長谷川脚本。シリーズもエピソード同様、かなり追い込まれてる状況ですが(いやはや…)、そんな中でも逆境にめげず、全力を尽くそうって姿勢が、ドラマからも伝わってきて、仲々嬉しかったですね。まぁこの際、リョウとアスカのイキナリな展開とかも、今迄の経緯は切り離し、この3部作だけを独立させたエピソードとして考えちゃってもいいかな?とか思ったりもしますしね(いやはや…)。

 ただネオガイガレードのあの戦法は、太陽系を抹消しようとする様なスケールの大きさで売ってる(いやはや…)スフィアの手先にしてはあまりにセコく、直接的で、結構残念だったと思うぞ!あれでスケール感が大分ダウンしてる様に感じちゃったのは私だけかなぁ?

 まぁドラマチックって効果を考えればそれなりにインパクトは期待できるし、登場人物が宇宙規模に拡大したストーリーと乖離してしまって、物語が他人事になっちゃう弊害からは逃れる事ができるんだろうけど…ちょっとね…

 今回のエピソードって観てて、懐かしの映画版スタートレック第一作(あのロバート・ワイズ監督のヤツですね)を連想しちゃいました。でもスフィアはヴィジャーじゃないよね…たぶん(いやはや…)。

 今回のドラマのポイントはやっぱりダイゴとアスカの会話の部分でしょうか?既にただの人間となってしまったダイゴの台詞って、なんか不思議な説得力がありました。こういうのってシリーズを重ねた今だからこそできる設定で、脚本的にもかなりオイシイ展開だったんじゃないでしょうか?でもまぁ、長野さん、再度出演してくれて良かったですね(いやはや…)。

 個人的には今回の話、制作側の熱意は分かるし、話の緊迫感やオイシイ場面もあるにはあるんだけど、もうちょっと何か…って言う様な、なんとも煮え切らない感じが残っちゃいました。まぁ贅沢言ってんのかも知れんですが…

次回はいよいよ最終回。何とまぁ東京地区は放映時間変更だそうで、観逃しそうでとっても不安(いやはや…)。くれぐれもいきなり「にゅうすのもり」のオープニングを観るのだけは避けたいもんです(いやはや…)。


永遠(とわ)なる勇者(1998.08.30)
第51話「明日へ…」(脚本:長谷川圭一 監督:小中和哉)

 遂に最終話完結…

 長谷川脚本死力を尽くしての総力戦。何としてもダイナの物語を完結させようと、最後の最後まで情熱を込めて書いてくれた、その精神力にはただただ頭がさがるばかりです。

 不満がないと言えば嘘になるし、強引とも言える展開で、力まかせに何とかストーリーをねじ伏せた処は、まさにダイナの闘いぶりそのものではあったのですが…とにかくまとまって良かったですね。演技陣のアツい芝居にも随分助けられていたんでしょうが、そこそこ感動的な場面もあったしね。

 ただ、結局アスカと父親の物語って部分は、シリーズの中で、ほんの添え物程度になってしまった様で、要所要所で意味深に登場していたアスカの父親って、結局どういう意図があって設定されたのか、最後まで分かりませんでしたよ私(いやはや…)。「偉大な父の姿を追い求め、その父を目指し、乗り越えようとする若者」って図式だったら、それはシリーズの中で殆ど触れてないしね(いやはや…)、ピンチの時にヨーダよろしく隆大介が叱咤する事はあっても…。別にファザー・コンプレックスを描こうって意図じゃなかったんでしょうが、結果それ以上には展開しませんでしたね。

 それにしても、登場人物達の前向きなセリフやイメージでごまかしてはいたけど、ウルトラシリーズの中でも屈指のアンハッピーエンドな終わり方の今回。お気楽、ハッピーが身上だと思われた「ダイナ」意外なる結末でございました。

 一応「ティガ」「ダイナ」と平成ウルトラ2作の最終回を観てきた訳ですけど、2作品に共通する感覚って、最終章での「イメージの拡散」の様な気がします。まぁこの感覚って最近のヒーロー作品全般に共通する感覚な訳ですけど、シリーズの中で、それまで延々と極東の一国の、そのまた一地域で怪獣と戦っていたヒーローが、最終章へ来て、いきなり宇宙規模の敵から、地球全体を守る羽目になる。言い方は悪いですが、御町内のヒーローが一躍世界のヒーローになっちゃう様な、なんとも居心地の悪い感覚。

 制作側の観点からすれば、最終回はそれなりに派手でスケールの大きい話にしたいし、敵は今迄の奴より強敵じゃなきゃいけないし…そう考えて行くと、おのずと展開は決って行くんでしょうが。やっぱり観てる側も、スケールアップと裏腹の「疎外感」って何となく感じちゃうんですよね。

 やっぱりそれまで延々築いてきた世界に対して、きっちり結末をつけて欲しい、そういうフラストレーションみたいなものが、平成ウルトラ2作を始めとする、最近のヒーロー作品のラストでは、何となく残ってしまいますね。

 よく傑作と言われる「セブン」の最終回は、それまでメインライターが新シリーズの為に片手間になったり、プロデューサーが変わって難解なストーリーが増えたりして、いわば迷走状態だった後期のセブンに対して、その築いた世界の中で、その主人公と登場人物たちが息づく世界の中で、ちゃんと結末を描いたからこそ、視聴者に感銘を与える事が出来たんだ、という気がします。そこには当然、制作者達のシリーズに対する「思い」も注がれている事は言うまでもないのですが…でも「セブン」だって唐突なんですよ展開は。何たっていきなり具合悪いですから(いやはや…)。

 さて「ガイア」です。主題歌はまたアップテンポになって、なんだか戦隊ソングみたい…今度こそ「ドラマ」を観たいんですが、こないだ新聞記事読んでたら視聴対象年齢2歳からなんだそうで…2歳ってアンタ…(いやはや…)。今度も無理なのかなぁ?(いやはや…)。小中さんよろしくお願いしますです。