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変則編成が運んだ日本なまけもの病(モトネタあり)(1998.04.01)
第29話「運命の光の中で」

 シリーズの中ではかなりキーになるエピソードだったと思えるんですが、思いっきり見逃しました(いやはや…)。…っという訳でコメントなしでございます(トホホ)。

 あ、今回のコメントタイトルはなんか意味不明ですが、一応モトネタありでございます(勿論若干ひねってますが…)。さて何でしょう?ちょこっと考えてみて下さいませ(いやはや…)。

 それではまた来週。


ミジー怒りの地獄作戦(モトネタあり)(1998.04.05)
第30話「侵略の脚本」(脚本:川上英幸 監督:北浦嗣巳)

 いやいや楽しませてもらいました。第13話「怪獣工場」の人気者、ミジー星人3人組のリターンマッチ編。前作での扱いの、あまりのもったいなさに堂々の復活でございます(いやはや…)。

 ミジー星人はやっぱり変に子供だましみたいな役処で登場するんじゃなくて、こういうペーソスあふれる(?)トホホ宇宙人がピッタンコですね。今回は脚本の川上氏も前作とは打って変わった筆の勢い。もうノリノリでございます。見栄晴氏扮する売れない駆け出し脚本家の日常には、果たして川上氏の実体験が反映されてるのか?とか、外人ごった煮状態のアパートはリアル過ぎるゾ(アパートのシーンで見せる、北浦組執念のディテール描写!)とか、石井監督はやっぱり出たがりなのか?とか、見てる側の妄想も思いっきり膨らませてくれる始末(いやはや…)。

 ミジー星人に関しては、あの3人組が、オリジナルキャストで揃うっていうのには、やっぱり川上氏とスタッフの並々ならぬ思い入れが感じられて嬉しかったですね。今回のエピソードって正に彼等のために書かれた感がありますし、彼等のキャラクターなしには存在し得ないエピソードでしょう。

 意外な掘出し物だったのが見栄晴クンの好演。ビンボーで売れない脚本家って、まさにピッタリの雰囲気(いやはや…)。なんか力の抜けた自然体の演技が、妙な存在感を醸し出してます。「世田谷のフクシン君」を現在演じられるのは、きっと見栄晴クンをおいて他にはないでしょうね(いやはや…)。

 特撮は新撮のダイナ登場シーンがカッコいい!こういう撮ってる側もノッてるカットって血が騒ぎますね。

 ミジー星人の再々登場、きっとまたあるんじゃなかろうかと、密かに楽しみにしてるワタシ(いやはや…)。

 ちなみに前回のコメントタイトルは「宇宙刑事シャリバン(1983)」の第24話がモトネタでございました(って分かるかそんなの!いやはや…)。


キミは甘口カレーが好きかい?(1998.04.12)
第31話「対決!ダイナVSダイナ!」(脚本:増田貴彦 監督:原田昌樹)

 最強の戦士、ウルトラマンダイナに挑戦する宇宙人。従来の「にせXX」系エピソードのパターンを打ち崩す設定が愉快なエピソード。とりあえずストリート・ファイターなんですね今回の宇宙人って(いやはや…)。とにかく普通は偽物ってヒーローの社会的抹殺を図るための、プロパガンダとして行動しちゃうワケですけど、今回は「ウルトラマンに化ければ地球人に攻撃されないから」ってのが何とも真に迫ってます(いやはや…)。

 ただ、エピソードとしてみると、妙に子供の視聴者層を意識した甘ったるいストーリーが、エピソードとしての魅力を半減させてる様で残念でした。こういう話って基本的にハードタッチで描かなきゃ面白くないとおもうワケですよ。カメラマンを目指す女の子を登場させるってのは、私は別段否定はしないんですけど、結局彼女って、脚本家の都合のいい道具として使われてる感が強くて、ちょっとかわいそう。女の子の言葉に群衆が目覚めていきなりダイナに声援しだす様な展開は、もういい加減にして欲しい気もします。私は今回この辺りでマイナス200%ヒイちゃいました(いやはや…)。こういう部分をいかに料理するかが、脚本、演出の腕の見せ処だと思うんですが、今回の様な安易な展開って、エピソード投げちゃってる事になるんじゃないですか?いい雰囲気の部分もあったエピソードだけに、肝心なシーンでのこういうおざなりな作りがかなり残念です。

 ダイナの扱いも結構不満。対決シーンではまったく手も足も出ず窮地に追い込まれてしまうダイナって、ホントに最強の戦士なの?って聞きたくなりましたが(いやはや…)。この辺りはもうちょっと拮抗する様な感じがないとツラいと思いましたね。ただ、偽物クンのボディアクションは仲々でしたけど。

 今回は原田監督が本編特撮含めて監督されてましたが、特撮パートでもちょっと凝ったカットがあって楽しめました。剣が地面に突き刺さるカットの周囲のミニチュアの作り込みとか、陽炎に揺れるダイナとか、本編での映像への拘りが特撮カットにも生きてる気がして嬉しかったですね。


僕にも怪獣は退治できる!(1998.04.19)
第32話「歌う探査ロボット」(脚本:右田昌万 監督:原田昌樹)

 いやぁここまでファミリー路線を意識しなくても、と言った感のある問題作(いやはや…)。ネット上でもかなり糾弾されておりますが…仕方ないトコもございます。まぁバラエティといってしまえばそれまでですが、此処に及んで「ダイナ」に微かに残っていた「SF的」カラーって、完全にどっか行っちゃった感じですね。ストーリー的にも、かなり強引に押し込めてしまった印象が強くて、そのあたりのムリムリさ加減が、視聴者側に「空虚な」感じを与えるのかも知れません。今回のエピソードって制作側と視聴者側、双方のベクトルが完全に擦れ違ってしまったという雰囲気が強いですね。制作側がウケると判断して取り入れた要素が、実際の画面でみるとことごとく空振りで、視聴者側からすると「もうアンタたち、勝手にやってなさい」っていう醒めた感覚がムクムクと(いやはや…)。

 思うのですが、こういう安直な視聴者への「迎合」って、シリーズの価値を自らおとしめる行為に他ならないのではないでしょうか?過去の「ウルトラ」は結果、これをやってしまった為に、シリーズとして立ち行かなくなってしまったのではなかったかと思います。視聴者への配慮をしつつ、如何にシリーズとしてのアイデンティティを保つか?「ダイナ」は結局この辺りの「ライン取り」がまだ定まっていないのでしょうね(…ってもう32話よ!)。

 今回の様なエピソードを見ると、なんだか今だにシリーズの各ライターが、自分として書くべき題材を見つけ出せずにもがいている感じです(特に右田脚本にはこの「迷い」の感覚が強くて、残念な事に殆どのエピソードが不完全燃焼状態)。ここまで観てくると、右田氏の作品なんかは、どうも円谷サイド、スポンサーサイドの要求を一番ストレートに反映させられてる感も強くて、かなりかわいそうな気もするんですけど、シリーズとして越えてはならない一線はどこか?視聴者が「ウルトラ」に求めるものは、遊び相手としてのウルトラマンと怪獣なのか?(そうなら「ウルトラマンキッズ」でいいではないか!(おっと失礼!))、ベタベタな「お子様ランチ」だけを不特定多数の客に出せるのか?そのへんはもう一度制作サイドにも再考して頂きたい気がしますね。

 まぁこんな事言われるのは「ウルトラ」だからこそって気もします。やっぱりファーストステージ(第一期ウルトラ)であれだけハイブロウな世界をみせられちゃうと、要求が厳しくなるのは仕方ないでしょうね。「ウルトラ」を名乗る以上、それは背負わねばならぬ十字架であるのです…なんてね。今回はちょっと本筋から離れましたが、雑感めいた事を書いてみました。


ジョッキミルクは"Deep"な味(1998.04.26)
第33話「平和の星」(脚本:長谷川圭一 監督:小中和哉)

 テーマ的には結構深いものがあったエピソード。なんですけど、個人的にはちょっと青臭さが強かったかなぁっという気もします。ロートル特撮ファンに、あのジュブナイル調のドラマは、正直バーでジョッキミルク出されるのとおんなじ位キツいわ(いやはや…)。そんな訳で、どうにもドラマに違和感を感じちゃったのは、またもやスレちゃった自分を感じさせられて、ちょっと寂しい気もしますが(いやはや…)、でも結構ハズかったよねぇ(いやはや…)。

 どうせなら徹底的にハズい話にしちゃえば、それなりに到達感もあるんでしょうが、ちょっと中途半端でしたね。グッと前に出ようとおもったら、一瞬素に戻ってヒイちゃった様な、なんとも踏ん切りの悪い処があって、結局ハズさが倍増してしまった、なんだかそんな感じがしましたね。

 ストーリー的には、宇宙人の存在意義が不明確(やっぱり何してたんだか良く分かんなかったし、どうにも私怨で動いてる様な感じでしたね)だったのと、冒頭の武装強化してゆくスーパーGUTSへの疑問が、結局ストーリーの中で都合良くぼやかされてしまった辺りが非常に残念でした。あの辺りの問題意識がストーリーの中心に据えられていれば、シリーズ中でも屈指のテーマ性を獲得できたと思われるエピソードだけに、なんとも勿体ない気がします。ホント、折角のおいしい素材を適当にツバつけて食い散らかすのは…

 ゲストの渋谷哲平氏は、まぁ懐かしいキャスティングではあるんですけど、ホントはもうちょっとカッコイイ系の俳優さんの方が、すんなりストーリーに入れたんではなかったかな?とか思うんですけど…まぁ、個人的な要望かなぁ(いやはや…)。女の子が、実はヒビキ隊長の娘だったってのは、ストーリー的には必然の設定なんでしょうが、映像で観せられるとやっぱり唐突な感が強かったですね。もうちょっとワンカットでいいから伏線張っておかないと、ご都合主義的な感覚が強くなってしまう気もします。

 ナルチス星人は着ぐるみを基本とする「ウルトラ」には珍しいメイク系。恐いんだよなぁ、メイク宇宙人って(いやはや…)。ナマの顔がメイクで変形してるのって、もう夢見そうなリアルさ(いやはや…)。実写版「ジャイアントロボ」のメトロスリーとか妖怪博士ゲルマーとか、恐いゾォ〜(いやはや…)。今回も期待に違わぬ出来栄えで、恐い恐い(いやはや…)。メノーファのブヨブヨ特撮も、仲々力の入った描写で、CG処理の負荷をストロボ効果で上手くかわしたダイナとの対戦等、佐川監督の実験的な演出が楽しめました。


夢枕に立つリーダー!って、あんたウルトラマンかいッ!?(いやはや…)(1998.05.03)
第34話「決断の時」(脚本:吉田 伸 監督:小中和哉)

 ムナカタリーダーも登場のシリアス編。こうやって改めてGUTSのメンバーが登場すると、やっぱりGUTSって真面目な組織だったんだなぁとか、感慨深いですね(いやはや…)。GUTSの発展的解消という形で誕生した筈のスーパーGUTSって、ホントに発展的なんだろうか?ひょっとすると、ムナカタさんもどっかで教官しながら、酒場でミルク飲んじゃグチってるんじゃなかろうか?…とか、画面見ながら考えちゃった私って、やっぱり不謹慎なのかなぁ?(いやはや…)まぁ何とも、前作の世界を引き継ぐってのも良し悪しですね。あまりに路線変更が激しいと、本来前作との関わりの中で生み出される説得力とか、ストーリーの深みとか、そういうメリットがうまく発揮されない気もしますしね。「ティガ」から「ダイナ」ってむしろ双方の世界の関係を断ち切って、完全に別世界の話にしちゃった方が、かえってすっきりする様な気もします(ちょっと暴論だろうか?)。

 ストーリーのテーマとしては仲々面白いと思うし、好きな題材ではあります。ただ、冒頭の伏線の張り方はあまりにストレートで、最早伏線とは呼べない様な状況(いやはや…)。だって、普通、毎日顔合わせてる職場で、いきなりあんな事聞くのって、どうにも不自然で(いやはや…)。いきなりヒビキさんに「コウダ、お前…神を信じるかッ!?」とか聞かれた様な感じかも(…って言うのは言い過ぎ?)。あの辺りがうまく処理されてれば、結構いいお話だと思えただけに、どうにも勿体ない感じのシーン。尺のせいで仕方がないのかもしれないですが、観てるとかなり強引な展開。

 まぁ、あれをポジティブに捉えて、「因果律的な構成」と見る事は出来るかもしれないですが、あんまり教訓臭が強いストーリーっていうのも、どうかな?って気はします。こういうのって、観終った後で何となく「そうかな?」ってぼんやり思う程度がいい感じもします。あくまで個人的な感覚ですけど。

 ちょっと批判が勝ってる様な論調ですけど、全体的な雰囲気は好きです。やっぱりシリーズの中で、登場人物は成長していかなきゃいけないんだなぁ、とか改めて考えさせられましたし。でも、こういう観る側に何かを考えさせるドラマって、最近めっきり減って来ちゃいましたね。

 特撮はどうしちゃったか(いやはや…)。佐川監督結構ノッて撮ってましたね。よぉく観てると、かなり手をかけて細かく撮ってるんですよね、今回。お得意の「ダイナ吊り」も、変形技が登場して仲々効果的且つダイナミックに使用されてましたし。でもバゾブのデザインは何とかして欲しかったですね(いやはや…)。此処まで思い入れのできないデザインの怪獣ってのも、最近じゃ珍しいかも(いやはや…)。


「ホテルのお好み焼」は果たして高級か?(1998.05.10)
第35話「滅びの微笑(前編)」(脚本:長谷川圭一 監督:村石宏實)

 大阪ロケ編前編。この処長谷川脚本エピソードの充実ぶりには目をみはるものがありますが、今回も期待に違わぬ手ごたえ。余計なお遊びを最小限に押さえ、スピーディーな展開で畳みかける様に物語が進行していくのは仲々快感でございました。

 一応前後編ってコトでアスカ/ダイナ試練編って意味合いも持たせてあるみたいなんですけど、この辺はひょっとすると別になくってもいいんじゃないかな?とも思いました。まぁ、こういうシチュエーションって、シリーズ中でのイベントっていうか、年中行事みたいなもんですから、やっぱり入れないといけないんでしょうけど(いやはや…)、少なくとも今回の前編での脚本の勢いからすれば、純粋にシリーズの本質に迫る様なキーエピソードにしても、充分イケるんじゃないかって感じはしました。前後編だと一回は必ず敗退するパターンの展開見せるよりは、純粋に物語の勢いで引っ張るエピソード作りが、今の長谷川、村石コンビになら充分可能じゃないか?って思える様な「いい感じ」がありました。

 蛇足ですけど、個人的にはクラーコフの市街地落下を食い止めるシークエンス、ブロック切り離しシーンでの一連のセリフ等、ディテールへのこだわりは非常に嬉しかったですね。

 ジオモスは結構好きかも。いやぁ、手もでっかいしね(いやはや…)。でも、仲々に新鮮なプロポーションだし、青い目と咽まわりの発光部もいい感じです。亜空間バリアの映像表現も仲々でした。

 今回はホリイの近況っていうか、ミチルとの家庭生活が織り込まれてた訳ですけど、正直無理に子供達に大阪弁使わせなくても良かったんじゃないかな?あのシャベリは関西人以外が聞いても不自然だとおもうゾ。家族の描写は最近の家族像をうまく投影してて、それなりにリアルであったとは思うんですけどね。

 特撮は大阪市内での描写が残念。リアルな合成ができるテクノロジーが発達すると、結局こういう展開になっちゃうんですね。「ジャンボーグA」の時はもうちょっとちゃんとビル壊してくれたと思うんだけど(いやはや…)。全部合成で模型はジオモスの前進するシーンだけって、ちょっと寂しいですね。「かに道楽」にこだわってる場合じゃないゾ(いやはや…)。

 そんな訳で次回の後編に期待してますです。