S H O R T C O M M E N T S
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育てよダイナ!(1998.01.25)
第20話「少年宇宙人」(脚本:太田 愛 監督:原田昌樹)久しぶりに誕生した少年モノの佳作。子供達が単にストーリーを展開させるためや、視聴者の子供達に親近感を抱かせる為の「道具」としてではなく、独自の世界観をもった独立した存在としてちゃんと描かれたエピソードって、「ウルトラ」では本当に久しぶりですね。多分今回登場した少年達っていうのは、リアルタイムの少年像っていうより、どこかノスタルジックで、ちょうど大人が回顧する憧れとしての、子供の頃の純な部分を結晶化させた様な少年達なんでしょうけど、それはそれでいいんだと思います。常にリアルタイムの子供達に媚びようとして、結果子供達のしたたかな部分ばかりがカリカチュアされてしまうってのが、最近の傾向でしたからね。
「ダイナ」の中では、実は一見ファンタジーに振った作風の太田脚本が、実は最もSF的な設定、世界観に基づいていて、何とも皮肉なんですが、今回もこれだけ日常的な世界でドラマを展開しながらしっかり根底に「SFの眼」がある辺りは嬉しかったですね。こうやって観続けてくると、やはり太田脚本が一番自分の書きたい題材に、正面から向き合っている感がありますね。やっぱり自分に想いがない作品で、人に感銘を与える事はできないと思う訳です。その辺りは今回のエピソードを観ても明白ですね。今回はドラマの雰囲気よりも筋や設定の部分に作家の興味を感じました。その辺りもこのエピソードが佳作になった要因かも知れません。
本編は今回も原田監督の丁寧な絵作りが光って、上品な画面になってました。そこここに挿入される凝ったカットも劇場作品の様な雰囲気があります。ただ個人的には冒頭の目玉焼を作る母親のカットの様に、芝居がらみのカットの描写や編集ももうひと工夫すれば冒頭から釘付けだったんでしょうけど(いやはや…)。あの辺はちょっとおざなりな撮り方で残念でしたね。もう一息だったんですが。
宇宙人は、巨大化した時のデザインがコミカル過ぎて違和感強かったです。甲虫がモチーフなんでしょうけど、どうみても生物としてのリアリティが欠如しており、あれならばむしろ等身大の時のデザインの方が違和感は少なかったし、ストーリーとしても3.5倍(当社比)泣ける展開だったでしょうね(いやはや…)。色々要請があるんでしょうけど、脚本が意図するポイントを、デザインがぼやかしてしまった様でちょっと残念でした。
平成のオチャラケ防衛隊、その名は"SUPER GUTS"!(1998.02.01)
第21話「発熱怪獣3000度」(脚本:古怒田健志 監督:北浦嗣巳)相変わらずトバす古怒田脚本。今回も快調なエピソードでございました。この方のホン(脚本)のいいところって、先日の太田脚本についても言えるコトなんですが、基本的に自分の好きな事をポジティヴにテーマに出してるって部分じゃないでしょうか?やっぱりそういう脚本のノリって他のスタッフや視聴者にも確実に伝わりますからね。
ただ、熱波に襲われた基地内での描写、コミカル路線なのは分かるけど、ちょっとワルノリが過ぎた様な(いやはや…)。あんなに正面切ってコメディやられちゃうと、ちょっとキツいなぁ。ダレまくるスーパーGUTSの面々には、最早地球防衛の精鋭達の面影はないのだ(いやはや…)。これはイメージの根底、結構ゆさぶってるかも(いやはや…)…もうちょっと押さえた芝居の中でそこはかとなくコミカルな方が、当社比1.5倍は楽しめただろうし、違和感もなかったかな?って気はします。しっかしTPC三参謀、今回はなんか三バカ大将って感じ…やっぱり「ダイナ」の防衛組織の基本カラーはこんなんなんでしょうか?
他方ソドムがらみの設定なんかは仲々泣かせますね。この辺りは怪獣大好きな古怒田氏ならでは。結末の付け方も、怪獣への愛が感じられて結構好きなラストです。今回はコミカルなドラマ部分とかなり締まった怪獣がらみの部分が妙な対比を見せたエピソードでした。
ソドムはかなり正統派の四足怪獣でちょっぴり嬉しい。「ウルトラマンパワード」のバカでっかい怪獣が大好きなワタシとしては好きな怪獣ですね(いやはや…)。今回はCGによる合成効果が、灼熱怪獣のイメージを上手く表現してました。
片桐はいりは電動ガニの夢をみるか?(1998.02.11)
第22話「ツクヨの兵士」(脚本:太田 愛 監督:北浦嗣巳)往年の円谷映像制作のモダンホラーを想わせるエピソード。今回は北浦映像美学横溢の佳作。デジタル合成を駆使したスケール感のある美しい映像が満載で、ちょっと劇場作品を想わせるエピソードでした。こういう合成カットの冴えは北浦監督ならではの魅力。「ダイナ」演出陣の中でも、北浦監督の合成センスの良さはピカイチでしょうね。
演出の面でも隅々まで気を配ったカットの連続と、必要以上にゲストをフィーチャーしない贅沢な作劇がエピソード全体に心地よいテンポを生み出していて、こういう危機感のあるストーリーにはピッタリでした。
今回の太田脚本は一転、キャラクターの心理描写に作家の関心が集中している様で、危機に陥った人間の心理を細かな描写で描こうとしている辺りは好感が持てました。こういうキャラクターの感情的な部分の掘り下げって、今迄「ダイナ」のシリーズ中では第15話(優しい標的)位しかないだけに、シリーズもようやくこの段階に移りつつあるのかな?と、ちょっとほっとした感もあります。テーマとしても人間の「恐怖心」、「恐れ」といった感情を扱っていたりと結構深いし。
ただ今回も冒頭の基地でほのぼのしちゃうスーパーGUTSの面々にはちょっと辟易。特にヒビキ隊長なんかはクライマックスであれだけキメるセリフを吐いてるんで、冒頭のかる〜いノリとのギャップがどうにも埋められず、非常に勿体ないですね。こういうエピソードの場合、全体に多少押さえ目にしておいた方が、エピソードとしての重みも増すし、観終った後に残るものも大きいと思うんですが…
ゲストの片桐はいりさんは意外なキャスティング。存在感はさすがですが、やっぱり今回みたいなエピソードだとなんだかとまどってる様な感じですね。ただ今回の場合だと、極端に省略したカッティングのおかげでその辺りの「とまどい」はかなり上手くカバーできてたみたいです。
怪獣は個人的なイメージとしてはカッコイイ奴の方が雰囲気出たと思います。遮光器土偶がモチーフと思われるズングリムックリな体型は、ちょっと違うんじゃないかと(いやはや…)。まぁこの辺は主観の相違なワケですけど(いやはや…)。
小林監督を捕まえて海底科学基地へ行こう!(元ネタあり)(1998.02.15)
第23話「夢のとりで」(脚本:大西信介 監督小林義明)ちょっと目先を変えた海底冒険活劇+操演怪獣登場編。監督には東映宇宙刑事シリーズ等のシャープな演出でファンの多い小林義明氏が登場。ウルトラシリーズへの東映演出陣の参加は「帰ってきたウルトラマン」での重厚な演出が印象深い、富田義治氏以来という事になります。
正直なところ、結構無難にまとめてしまった感が強いです。小林監督らしいシュールな演出も、今回はかなり控え目。やっぱり初回は遠慮が目立ちますです(いやはや…)。キレまくるコウダ隊員の演技の熱さが、さすがにちょっと他の監督の演出と一線を画してる位でしょうか(いやはや…)。
新登場の潜水艦、GUTSマリンは、何ともダイナメカを象徴するデザインライン。やっぱりちょっと泥くさぁい感が(いやはや…)。GUTSマリンを見て昔よくお風呂で遊んだ、尻尾を振って泳ぐイルカのオモチャを連想してしまったのはワタシだけでしょうか(いやはや…)?残念な事に今回もかなり小型のモデル1種類しか造形されていない様で、スケールのバレやすい水モノメカにもかかわらず、ラストで海上に浮上してくるカットはかなりトホホな出来栄え。このあたりは得意のCG合成で海水のスケール感を調整しないと、とってもキツいんじゃないでしょうか?
脚本はそれなりにドラマをメリハリをもって描こうと努力してるんですが、如何せん海中での戦闘シーンでは、視聴者に怪獣と潜水艦がどういう状態になってるのかが、イメージとして伝わってこないという大きな弱点が。本来的にこういう作品って、言葉じゃなく画で視聴者に観せるってのが、物語を作る本筋じゃないかと考える訳です。今回のストーリーでは特にその辺りがコウダとアスカの会話で処理されてしまっていて、言い方悪いですが逃げてる様な気がしてとっても残念でした。やっぱり「ウルトラ」は「目で見るSF」であって欲しいですね。
怪獣は実に久しぶりの感がある正統派操演怪獣(いやはや…)。デザイン的にはもうちょっとなんか欲しいですね。余りにも正直に「海ヘビ」だったもんで(いやはや…)。佐川監督は省略したカッティングで、結構うまく操演怪獣の間延びした演技をカバーしていたとは思うんですが…
監督ひとり旅(元ネタあり)(1998.02.22)
第24話「湖の吸血鬼」(脚本:川上英幸 監督:小林義明)う〜む、かなり食い足りないお話でした。「とりあえずシリーズの1本として流しちゃいました」みたいな、サラッとしたエピソード。何かテーマがあるのかと言えばそうでもないし、かといってエンターテインメントに徹した娯楽編なのかと思うとそれも違う。どうもどっちにしても中途半端な印象が目立ちます。
小林監督の演出も、杓子定規に真面目に取り組んでる姿勢ばかりが目立って、東映時代の、悪ノリとも思える元気の良さが感じられないのは痛いです。今回も、登場人物の会話の軽妙さには、わずかに監督のカラーを感じる事ができたんですが…どうも今のところ小林監督の参加が、本来の目的であった(と思われる)映像面、演出面での活性化までは行ってなく、かえって凡庸な印象のエピソードの比率を高めてしまっているのは非常に残念。映像作品って、結局共同作業ですから、監督だけではその力を発揮する事が出来ないのは自明の理ではあるんですが、小林監督には制作会社の壁を越えてぜひ「ダイナ」でもブレイクして欲しいです。もうちょっと好きにやっていいと思いますよ、遠慮せずに。
一方特撮やダイナの戦闘シーンは、逆にノリノリ(いやはや…)。もう制作側が完全に子供に戻っちゃってました(いやはや…)。デジタル合成を活かした立体感のある戦闘シーンは「ダイナ」での収穫だと思うんですが、今回は全体的にちょっとおふざけが過ぎたような。シリアスな話なんですよね、今回のエピソードって?どうもエピソードとしてのバランスを欠いたアクションシーンってコトでは、「セブン」の「北へ還れ!」でのセブンとウィンダムの追いかけっこといい勝負かも(いやはや…)。なんか今回のダイナは子供みたいでイメージ違うゾ。無意味なアクションの多さにはちょっと辟易でございました。一応ダイナって「戦って」る訳でしょ?怪獣相手に「遊んでる」ワケじゃないよね。やっぱりこの辺りは「擬闘」としてそれなりに必然のある動きじゃないと、イマイチ説得力に欠ける気がしますです。まぁ、この辺の「さじ加減」ってとっても難しい処ではあるんですが…
きみにも見えるウルトラの星(1998.03.01)
第25話「クラーコフ浮上せず(前編)」(脚本:長谷川圭一 監督:村石宏實)久々に力のこもったエピソード。コンパクトながらもうまく危機感を持続させた前編の雰囲気は仲々イイですね。今のところ、この手のエピソードで良く見かける、作家の独りよがり的な、観念論にも陥らずに済んでるみたいだし。でも今回は、このところちょっと元気のなさが目立っていた長谷川脚本が、そのあたりの溜まってるものを一気に吐き出したって感があって、ちょうど危機に陥ったヒーローの怒りの一撃っていうか(いやはや…)、なんか嬉しいですね。でも、こういう王道を行くストーリーが此処まで殆どなかったってのは、ヒーロー作品としてはちょっとさびしい気もしますね。如何に「ダイナ」が変化球主体で来てしまったか…このエピソードが語るものは「ダイナ」というシリーズの弱点でもあるのです。
今回は制作側もかなり力が入っている様で、次々に登場する作り物の数の多さ!多用されるCG!いいのか、1回の前後編にこんなに投入しちゃって(いやはや…)。スピーディーな展開と共になんか劇場版を観てる様な豪華さがありました。脚本も演出も、余分なお遊びや人物描写の掘り下げはほどほどに、ストーリーの展開に重点を置いて物語を展開している辺りは結構好感持てました。やっぱり物語の面白さってのが、基本でしょうからね。
今回特撮では、久々にスケール感に拘ったカットが見られて嬉しかったですね。第23話(「夢のとりで」)では水のスケール描写に大いに不満を抱いていただけに、今回の村石監督によるスケール感を失わない水の描写は嬉しかったです。特にクラーコフが浸水するシーンの描写、こういうフィジカルな特撮描写って、ホント久しぶり。やっぱりこういうのが特撮の基本的な楽しみ方かなぁ?とか、再認識しちゃいましたが(いやはや…)。怪獣はどうにも動けないのが残念、デザイン的にも、もうちょっとワンポイント、なんかインパクトが欲しいところではあります。
ウルトラの星 光る時(1998.03.08)
第26話「クラーコフ浮上せず(後編)」(脚本:長谷川圭一 監督:村石宏實)いやぁ、なかなか満足度の高い後編でありました。「ダイナ」で今回の様な、真摯な人物ドラマを観られるとは、正直いってシリーズ開始当初にはそれほど期待してなかったんで(いやはや…)なんだかとっても嬉しい誤算って感じです。多分、今回のエピソードが成功したのは、脚本を担当した長谷川氏の「マイへの想い」があったればこそでしょうね。はっきり言って、アスカと父親のシークエンスは「シリーズ構成上入れときました」って感じで、大ピンチの状況を逆転させるための「お約束描写」って雰囲気でしたしね(いやはや…)。長谷川氏にとっては、今回アスカがらみの部分って、もうどうでも良かったんでしょう(ちょっと言い過ぎかな?)。
「優しい標的」の時もそうでしたが、長谷川脚本によるマイ隊員編エピソードって、長谷川氏のマイへの思い入れがストレートに投影されてる感があります。こういう脚本家のキャラクターに対する思い入れって、やっぱり映像化された作品を媒介に、視聴者にもちゃんと伝わってきますね。後編を観終えて、この前後編を振り返ってみると、マイのスーパーGUTS隊員としての成長みたいなものがエピソードの縦糸になってます。そういうキャラクターの成長って、それを描く脚本の視点がとても重要になってくると思うんですが、長谷川氏の温かい視点が、このエピソードのマイのキャラクターを、とても引き立たせていたと思います。
舞台も、密閉された狭い空間に限定する事で、不用意なドラマの拡散が防げてたし、短い時間の中で濃い内容の物語を展開できたと思いますね。それに今回のエピソードの中では、今迄長谷川脚本の中では余り活かされてこなかったシチュエーションドラマ的な要素を、積極的に取り入れようって姿勢も感じられましたし。ただ、凍結されただけで大ピンチになっちゃうダイナの扱いだけは、もうちょっと何とかならなかったのかと(いやはや…)。ヒビキ隊長にまで「いつまで寝てるんだ」みたいに言われちゃって、このままじゃトホホヒーローの烙印を押されるゾ(いやはや…)。あの部分はもう一捻り巧妙な罠が欲しかった気がします。目やカラータイマーも電気ついたままだったし(いやはや…)。
村石監督による演出やヴィジュアルも、最早円熟の感がありますね。エピソード全体を、安定感をもってバランス良く描ききる演出力は、さすが「ティガ」「ダイナ」のメイン監督の風格。たまにはもうちょっと演出的な冒険も試みて欲しい気はしますけど、それって贅沢な要望でしょうか?全体的には今回の前後編、劇場版並のエネルギーが注力された堂々たるキーエピソードってコトで、満足致しました。
特撮はデジタル合成によるイメージングが素敵で、合成の破綻も殆どなく楽しめました。怪獣の魅力不足と、いかにも人間然とした等身大怪人の動きは頂けませんが、こういうスケール感のある世界を描ける様になってきた事は、大きな収穫でしょうね。
強さは愛だ!!帰ってきた宇宙シンカンセン刑事!(東映調。いやはや…)(1998.03.15)
第27話「怪獣ゲーム」(脚本:吉田 伸 監督:児玉高志)なんだか「帰ってきたウルトラマン」の第4クール(高橋明彦デザインによるミョーな顔の宇宙人が一杯出てた頃ですな(いやはや…))を彷彿とさせるストーリー。もうちょっとハードなサスペンスがあると、一層楽しめたんですけどね。ゲームがらみの話だからって、妙に子供に迎合した様な(でもできてないと思う、きっと(いやはや…)。子供達は単にストーリー展開の道具でしかなかったし…)雰囲気にしちゃったのはなんか勿体ない。こういう話って、根本の部分に作家の毒がないと、つまんないと思うワケです。今回の話でも、怪獣を応援する子供達の描写とか、それっぽいシーンは幾つか垣間見られたものの、全体として甘いトーンに支配されていたのは結構残念に思いました。
宇宙人役は久々のシャリバン・ワタリ(又の名を渡 洋史)!数年前にブロードウェイ・ミュージカルの日本版で、新幹線役を演じてたのは記憶にあるんですが、あんまりお変りない様で安心しました。アクションもキマってます。
宇宙人のデザインはあんまり好きじゃない(いやはや…)。凝った電飾が撮影用を感じさせはしますが、なんかアトラク怪人の様なボッテリした印象です。もうちょっとメリハリがないとツラいかな。怪獣も同様の印象。丸山さん、あいかわらずメカ系の怪獣は得意じゃない様です。ゲームから生まれた怪獣ならもうちょっとデザイン的にも発想の飛躍が欲しい気がします。メカの付いた恐竜ってのは、ちょっと寂しいかも。
佐川特撮はなんかパワフルでしたね、今回(今回も、かな?)。お尻カジられるダイナとか(いやはや…)。ただ、絵的に言っちゃうと、最近どんどん「ハッ」とする様なカットが減って来ちゃってるんで、もうひとふんばりして欲しいです。
全体としてはちょっと印象の希薄な標準作って雰囲気のエピソードでした。
俺に惚れろ(元ネタあり)(1998.03.28)
第28話「猿人の森」(脚本:武上純希 監督:児玉高志)掲載が遅くなってすみません。ちょっと個人的に忙しゅうございまして(いやはや…)。
結構娯楽編だったんじゃないですか、今回?ストーリーは「なんじゃい、コリャぁ!」って感が強いですけど(いやはや…)。まぁ、楽しかったからいいかな?とかね(いやはや…)…
でも今回は全編に渡ってかなりアナクロな雰囲気が横溢。いにしえの「サンダ対ガイラ」にも共通する猿人間〔かん〕の感情の機微もしっかり押さえてます。リアルタイムでこういうエピソードが観れちゃう辺りも「ダイナ」の懐の深さっていうか、おおらかさなんですかね。
脚本の武上氏も、ハナっから深刻なテーマを持ち出す事なんか考えてないみたいに、楽しんで書いてる様子が伝わってくる様なストーリー。この辺りは好みの別れる処でしょうが、今回は映像の元気さにも助けられて、ストーリーの「しょーもなさ」は随分目立たなくなってたかな(唐突にケリを入れる才女ってのは、かなりの禁じ手だと…いやはや…)?
特撮は佐川監督のパワーが炸裂した一本。やっぱりこういうプロレス的ノリの戦闘シーンって、佐川監督得意ですね。コミック的なアクションに、結構楽しんじゃいました。やっぱり「ダイナ」における佐川演出って、エピソードと相当相性の問題がある様で、今回みたいな元気のいいエピソードだと、俄然生き生きしてきます。
猿人のデザイン造形も、仲々良い出来。東宝コングに落胆した昔が嘘のようですね。ちゃんとパペットを作って表情を演出してる辺りのこだわりもいいです。