C O N T A C T
実は、今ごろになってやっとロバート・ゼメキスの "コンタクト" を観たんですけど、コレ好きだわ(いやはや…)。未知のテクノロジーに挑む科学者の勇気ってテーマでは、かの "ブレインストーム" に通ずる世界がありますです。原作と共同制作が "コスモス" で一世を風靡した故カール・セーガンってのが頭にあって、結構コチコチの映画かと思えばそんな事は全然なく、さすがエンターテインメントの巨匠ゼメキスの手になれば、原作からは一気に飛躍、仲々の娯楽映画に仕上がってます。
ケープ・カナベラルに建造された惑星間移動装置の雄姿!ヘリコプターからの映像。対岸に詰めかけた観衆の車の列からこのカット、さらにはヘリコプターに搭乗したジョディ・フォスターのアップへワンカットで描いて見せます。
公開システムテストの最中、テロリストの手によって爆破される装置。装置をバックに現地から中継していたテレビニュースの画面の中で、はからずも事故の様子が生中継されます。轟音と共に崩れ落ちる装置を思わず振り向くニュースキャスターという凝った映像!更にそのまま崩れる装置にズームアップしちゃう荒業!
群衆目がけて飛んでくる装置の巨大な破片!下のカットではそのままパンしながら落下する破片、逃げ惑う群衆がワンショットで収められます。
のっけから渾身のCGが投入される等、特撮的充実度も高いのですが、特にヴェガからのメッセージを解読して建造された惑星間移動装置の特撮が素晴らしく、ケープ・カナベラルに建造された巨大なジャイロスコープの様な装置が、巧妙な実景との合成、人物とのからみで、まるで実在するかの様な存在感で描かれます。この辺りは "フォレスト・ガンプ" でもCGの効果を最大限に引き出したゼメキスならではの演出。テロリストの妨害で装置が爆破されてしまうシーンでも、逃げまどう群衆目がけて装置の巨大な破片が飛んでくる仰天のカットが見られます。まさに目の前で起こる仮想現実の世界。I.L.M.出身のケン・ラーストンによる特撮もさすがです。恐らくこの映画の特撮では、殆どモデルは作られていないのかも知れませんが、そんな事を全く感じさせないパワフルな映像が嬉しい。
ただ、爆破された装置と同型のものが、実は北海道にも建造されていたというのは、まぁいいんですけど、その北海道基地の描写、泣けます(いやはや…)。装置に乗り込むために北海道までやって来たジョディ・フォスター嬢が、事もあろうか部屋着に襦袢(じゅばん)を着てたりとか(浴衣じゃないんですな、コレが…)、部屋の中も掛け軸に鏡餅(!)、船のキャビンの様な作りの中にいきなり板戸があったり(奥にトイレットペーパーが見えたからトイレかな?)とか。これってどっかで見たゾと考えると…「いなかっぺ大将」の大ちゃんの部屋そっくり!コレはイカン(いやはや…)。ちなみにゼメキス監督、制作時日本人から指摘を受けたけど部屋の装飾とかは気に入ってるそうです(いやはや…)。
ヴェガへの旅のシーンでもCGが大活躍。"ブレインストーム" では光学合成で表現されていた事を考えると隔世の感があります。