今週は2体描かなくちゃいけないんで(いやはや…)、まずはイーヴィルティガから。今回はかなり熱いドラマが展開されてて、昔からのウルトラファンは、ちょっと懐かしい気持ちになれるかも知れませんね(涙を流す怪獣、怒りに震え、怪獣の死を哀れむウルトラマンという、黄金のシチュエーションもしっかり登場)。小中脚本って、かなりクールな印象が強かったんで、今回のエピソードはちょっと異色な感じがしますけど、こういうのも好きだなぁ。今回は個人的にあんまり引っかからなかったんで(いやはや…)、結構純粋にハマって観てましたです。今回の前後編、内容的にかなりキーになるエピソードって処はあるにせよ、「ティガ」のシリーズの中でも緊迫感を持続させたまま、最後まで一気に描き切ったっていう点では、かなり成功した話だと思います。
でも、「ウルトラマンをいくらでもコピーできるんだ!」ってタンゴ博士のセリフ、結構シビアな「ティガ」の世界観を象徴する一言だった気がします。「ティガ」の世界のウルトラマンって、想いを込める対象っていうよりは、兵器に近いテイストなんですよね。適合するDNAを持っていれば、基本的にダイゴ以外でもスパークレンスでウルトラマンになれるし、適合者、変換システム(スパークレンス)、石像の3つが揃えばそれ以外の条件は必要ないみたいで、或る種、ひとつのシステムなんじゃないでしょうか?多分、「ティガ」の世界のウルトラマンは鉄人28号と似た性格を持ってるのかも知れません。操縦者によって、善にも悪にもなる存在。ダイゴはきっと「ティガ」のパイロットなんでしょうね。
でも今回も高良さん、ノッてますね。もう楽しくてしょうがないみたいです(いやはや…)。あれ位ノッて演技してくれると、観てる方も作品の中に引き込まれますね。
特撮自体の見せ場は今回あんまりなくて、中心はやっぱり対決に集中してます。多分イーヴィルティガはパワータイプがメインの中村さんだと思いますが、今回改めて中村さんの演技力にハッとさせられましたね。ちゃんと「芝居」のできるウルトラマンって、上西さんのセブン以来随分久しぶりに観た気がします。ティガに踵落し決めた後で、雄叫びをあげる様に身体をくねらせるトコなんか、凄い動きでした。
決着がつくシーンは、ちょっとニヤッとしちゃいました、私。いやぁ、アレをストレートにやるとは思わなかったんで。今回のエピソードのカラーを象徴する大王道の決着シーン。でもあそこはやっぱりアレじゃなきゃ盛り上がらないですよね。今回の派手な格闘はお子様も大満足では?
イーヴィルティガは、完全にティガと同じ手間をかけてスーツを造形してますね。偽物系では最高の仕上りでしょう。マスクも流用じゃなくて、ティガの原型を修正して新造してる様ですね。非常に微妙なラインで構成されたシャープで美しい仕上り。こういうのって、やっぱり開米栄三社長あたりが直々に油土原型作ったりしたんでしょうか?