ティガの温室・分館

The "KAIJYU" ILLUSTRATED

ザ・カイジュウ・イラストレーテッド


【ゲオザーク】 Episode#43

 前回お休みしてしまったんで、今回はちょっと早めにアップしました。第42話の方も追っ付けアップしますので、もうちょっとお待ちくださいね。

 取り敢えず、個人的に非常にひっかかってしまったポイントについては別枠で書きましたんで、こちらではその他の部分を…

 ストーリーはいよいよ終局に向って助走を始めた感がありますね。今迄投げかけてきた問題に、最終的にスタッフがどういう回答を示すのか、興味深いところです。特に川崎監督が再三問うている「怪獣出現の理由」「ティガの戦う理由」等は、それなりに納得できて、なおかつインパクトのある結論というのは結構難しいと思うので、ちょっと楽しみ。「ティガ」は1年間の放送期間が決定したのが、放送開始後かなり経ってからだった関係か、シリーズとしての迷走感が強くて、単発エピソードがずーっと続いてる、どちらかと言えば1年間を通してのテーマとかシリーズ構成とかは、弱い気がしてましたんで、この辺りでぜひしっかりまとめて欲しいものです。でも当初設定した世界観の中でここまで来れたっていう意味では、「ティガ」はかなり健闘してると思います。

 今回、ドラマ的にはダレ場が殆どない感じでラストまで一気に描けてたし、極端に破綻してる部分もなく「ティガ」のシリーズ中でも、かなり佳作の部類だと思います。今回クラスのエピソードが、今迄のシリーズ中にあと数本あれば、全体のイメージも少し変わって来たと思うんですが…今迄ちょっと不完全燃焼っていうか、食い足りない印象が強かったんで。

 特撮は燃えてました、今回。村石監督って、怪獣とティガの戦闘シーンで、結構こだわったカメラアングルを使うんで、嬉しいですね。今回も近景にスケールを変えた枝を映り込ませる等、遠近感を強調してるこだわりカットが続出でした。ゲオザークのヒレが暴れるシーンはミニチュアがあと一回り大きいと、劇場作品並の迫力が出たんでしょうが…ちょっと贅沢な望みかな?

 今回の特撮の見所はCGと実写の合成でしたね。山の上を飛ぶガッツウィングも、今迄のエピソードで不満だったパースの不自然さをCGがうまくカバーしてたし、その集大成である、ガッツウィングの「橋くぐり」のシーンは、日本特撮TVの中でも屈指の名カットと言っても過言ではないと思いますね。あのカットで掛けられてる手間って、「ジュラシックパーク」と大差ないと思うし…

 ゲオザークは特異なスタイルが個性に結び付いていい仕上り。怪獣としてのイメージもいいです。個人的にはイメージが似てる「ウルトラマン」のグビラとか旧大映のジグラよりゲオザークの方がずっと好き。要所要所で異なる表現を使い分けてボディもうまくメリハリがつきました。眼の作りは懐かしや、「帰ってきたウルトラマン」のマスクで使われた「塩ビ板ヒートプレスに裏からエポキシ」ですね。

 ゲオザークみてると、やっぱり丸山さんは「怪獣デザイナー」なんだなって実感します(実はやっぱり前回のファイバスは不満でした、私)。う〜ん、どうも人型のロボット系と怪獣とのデザインのギャップは、かなり大きい気がしますね。ロボットが、脚本の問題もあるとは言え、常にスクラップを寄せ集めた様なグズグズのフォルムで表現されてしまうのは凄く不満です!ああ、「ティガ」ではちゃんとデザインされたロボットは観られないまま終わってしまうのか?残り話数に僅かな期待をかけたいと思います。