いやぁ、前回と今回、実は前後編のエピソードでしたか。今回のエピソードが、今後の物語の大きな流れの根底をなすものであれば、シリーズとしても大きく盛り上がっていくでしょうね。でも、だとすればもう少し早い時期から種をまいておいた方が、もっとスマートでカッコいいと思うんですが…多分、シリーズとしての大きなターニングポイントというか、今回のエピソードの前哨になるのが、例の「うたかたの…」であったと思うんですが、出方がちょっと唐突だったと思うんですよ。方向付けが急すぎて、見てる側が付いていけなかった部分って、結構あったと思いますし。その前のエピソードに少しずつそういう要素を入れて行ければ、もっと良かったのにね。
取り敢えず今回の収穫はレナ隊員の名演技ですね。やっぱりあのタカビーなシャベリは彼女(吉本嬢)の地なんでしょうか?妙に生き生きして見えたのは私だけ?数年後、ユリアンに続いて戦隊シリーズの女幹部になってる彼女の姿が、私には見える(いやはや…)。でもこないだのホリイさんといい、乗り移られた時の演技って、皆んな楽しそうだなぁ(いやはや…)。
話としては、結構好きな部類です。小中脚本のハードな雰囲気って、やっぱり「ティガ」を支える重要な要素だと思うんです。今回も、緊迫感をうまく持続できてたみたいだし。ただ、「ティガ」は、シチュエーションじゃなく、登場人物の会話でストーリーを盛り上げていこうって意識が強い様なんで、ここまできたら小中さんには「人間標本5・6」みたいな不条理に恐い話とかも、書いて欲しいです(しまった、また山田正弘脚本だ)。
本編演出の石井てるよし監督、シーンが変わる時の効果音なんかに、ウルトラ的なセンスを感じますね。安心して見てられる演出でした。円谷作品は「グリッドマン」に続いての登板だと思いますが、「ウルトラ」はこの「ティガ」が初めての登板ですね。
特撮は大岡監督、相変わらずの手堅さ。今回も徹底してグワームの後ろ足を見せません。おかげでイラスト描くのはエラい大変(いやはや…)。イラストの下半分は想像で描いてる部分が多いので、信用しないでネ。今回は冒頭のダイブハンガー(GUTS基地)に接近する輸送機のカットが入魂でしたね。コレみてて思ったのは、宇宙空間での飛行シーンも、(CGで描いてないメカの飛行の場合)メカは操演してるものを合成素材に使った方が、動きに違和感がないんじゃないか?って事ですね、ちょっと面倒かもしれないけど。宇宙空間だと、合成するコンピューター上でメカを動かしちゃうんで、微妙なスピードの変化とかがなく、妙に単調な動きになって、それが「軽さ」につながってるみたいです。
グワームは噂によると、素体にキングモーラットが使用されているとの事ですが、ホントに「芯」としての扱いみたいですね。デザインは顔面の面取りが気持ち良くて好感度高いです。造形も難しい頭部を見事にカッコよくまとめ上げてて良い出来。顔面の部分はひょっとしてFRPでしょうか?人型のロボットでこのデザインの冴えを、ぜひ見たいです!(丸山さん、お願い!)
お ま け
小中さんっていえば、むかしル・ピリエで「地球に落ちて来たくま」観たっけ。最近かなりハード指向な気がしますけど、こういうホワッとしながらサービス満点のも、また観てみたいです。「ティガ」じゃ無理でしょうけど、アニメとの合体攻撃もどっかで再現して欲しいです。