今回の演技賞は寺田農さんじゃなくて、シーラ君にあげたいなぁ。怪獣君の演技でジンときちゃったのって、凄い久し振りな気がします。なんか健気ですね。ストーリーは、細かく観ちゃうと変な部分も多いけど、取りあえず物語の醸し出す雰囲気を味わうのが、今回のエピソードの正しい鑑賞法じゃないかなぁ?ただ、ラストの「火の鳥(いやはや…)」と少女のイメージはちょっとやりすぎ。あの部分は淡々と描いた方が、物語の余韻としては良い様な気がします。
とはいえ、寺田さんはやっぱりいい雰囲気でしたね。やっぱりうまい役者さんがゲストだと、芝居がしまります。ただ、セリフとかシチュエーションとか見てると、個人的にはぜひ故岸田森さんに演じて頂きたかった役ですね。ああいう断末魔(?)の芝居って、岸田さん映えますよね。
娘役のルーガちゃんは、最近「カブタック」でも活躍されてますけど、芝居はもう少し勉強しようね(いやはや…)。ちょっと違和感感じちゃいました。
本編は映像的にも、北浦監督らしいこだわりが見られて良かったですね。特に公衆電話のシーンのライティングなんか、一般のドラマでも殆ど見られない、コントラストの高い画面構成で、結構挑戦的な映像だったと思います。
特撮は、相変わらず空中戦へのこだわりが感じられます。シーラの飛び人形、ちょっとかわいいイメージで残念でしたが、空中戦を立体的にみせる絵作りは「ティガ」ならではですね。「ティガ」での特撮の一番の収穫って、こういう飛行シーンがかなりブラッシュアップされて来たって部分じゃないかと思います。相変わらず合成のパース(遠近感)が変なのと、動きに重量感がない処は要改善ですけど。
シーラは半分ミイラ化したみたいな身体の表現が凄いですね。デザインとしては結構エグいんじゃないかと思いますが、あんまり直接的な表現で造形されてないんで、ちょっと救われてる感があります。目もちゃんとまぶたがついてて、何となく「大巨獣ガッパ」の面影があります。演技含めてのキャラクターとしてのまとまり、印象度は「ティガ」でも五指に入るんじゃないでしょうか?