とりあえず特撮については"SFX-LABO."の方を御覧頂くとして(いやはや…)。今回は川崎監督入魂の一本。ウルトラマンという世界の根本的な問題に触れようとするエピソードでした。ただ、川崎監督の問うている「怪獣は何の為に現われるのか?」、「ウルトラマンは何の為に戦うのか?」って問題。確かに作り手としては魅力的な素材だと思うんですが、作品世界がまず「怪獣とウルトラマンありき」って処から出発してる世界な訳ですから、突き詰めて行くと変な事になる可能性高いと思うんですよ。「水戸黄門が毎週悪事に出会うのは何故か?」って問うてるのと同じ事ですからね。「ウルトラセブン」終盤はこれを真面目にやった為に、視聴率的に失速しちゃった訳だし。ただ、こういう捉え方を制作側がしようとしてる、その姿勢は、番組作りに対する真摯な姿勢の現われですから、とても嬉しい事なんですが…
脚本と演出は熱意が空転しちゃった感が強くて、伝えたいメッセージの崇高さとは裏腹に、エピソードとしてはかなりフニャフニャになっちゃいましたね。熱意は伝わるが、視聴者と作品とのコミュニケーションって面を考えると、脚本も演出も整理されてなくてなんか良くわかんない(いやはや…)。レナやムナカタの押さえた演技も、この未整理と矛盾が災いし、「セリフロボット」の印象を強めてしまったのは残念。検討稿の脚本を、そのまま映像化した様な感じになっちゃって、なんか勿体ないなぁ。
ジョバリエ君、かなり不憫(ふびん)です(いやはや…)。散々「何しに出てきたんだ」とか言われてましたね。デザインはきっと脚本読んで作るんでしょうから、こういう扱いだと、テンション下がるわなぁ(いやはや…)。例によってテンション下がってる時の「メリハリのなさ」が出まくったデザインになってます。ひたすら地味で映えなくて、印象薄いです。背中に甲羅を付けたりして、差別化図ろうとはしてるんだけど…
造形は結構細かく出来てるんですけど、色が地味すぎだと思うんですよ。これは結構他の怪獣についても言える事だと思うんですが。体色をもう少し明るくして、ツノとはっきり色を変えてあげるだけでも、随分印象良くなると思いますよ。明るめの色の方がディテールも映えるしね。