ティガの温室・分館

The "KAIJYU" ILLUSTRATED

ザ・カイジュウ・イラストレーテッド


【宿那鬼(スクナオニ)】 Episode#16  

 うーむ、今回は異色作でしたね。まさか「ティガ」で鬼を描く事になるとは思いませんでした、私(いやはや…)。ただ脚本的にも細かい部分までよく練れてたんで、オバカなエピソードになっちゃう事からはうまく逃れられましたね。さすがにせちがらい90年代ともなると、こういう話って映像化しずらいですねえ。全体的に「タロウ」とか「レオ」の頃の民話シリーズの雰囲気が濃厚でした(レオのアレは怪獣デザインもやっちゃうスーパー・プロデューサー、熊谷健氏が大好きだったからだそうで)。

 今回は監督さんにもちょっと触れさせて下さい。今回担当の川崎郷太監督、「ティガ」の本編監督の中では、一番先鋭感のある映像作りをしてくれるんで、この処担当エピソードを見るのが楽しみです。今回も「実相寺ライク」なカメラアングル、カット割りで酔わせてくれました。川崎監督って確か日大芸術学部のご出身だと思ったんですが、在学中からウルトラQをモチーフにしたフィルム(確かモノクロ作品だったと思いますが)を作ったりしちゃう位、円谷作品がお好きな方みたいです。「ティガ」では遂に念願のウルトラシリーズ、しかも特技監督まで任されて、燃えまくってるんじゃないでしょうか?ウルトラマンの漫画でもおなじみですね。

 宿那鬼、仲々いい造形ですね。前回新造の怪獣が不調だったんで、ちょっと心配でしたが、うまく持ち直してくれました。顔面や身体の筋肉の表現は仲々良く出来てますね。個人的にはもうちょっとウェストを絞ってもらいたかった気はするんですが、全体としてみるとバランスは結構とれてますね。顔のデザインはどうも骸骨をイメージしてるみたいで、一つ目は横から見ると驚くほど突出してます。今回はどうもアップ用の口が開閉できる頭部をもう一体、別個に作成してるみたいですね。ガッツウィングに向って光線を吐くシーン、良く見ると着ぐるみと首の筋の表現が異なってます。