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独断と偏見で書きなぐれ!ご意見無用のたれ流しコメント集!!
ガイアの庭
〜Page-1〜
今年もやります超偏見視聴コメント。
第3の「毎日ウルトラマン」は、果たしてキャッチフレーズ通りに「バージョンアップ」してくれるのか!?
さぁてワクワクドキドキいよいよはじまりはじまり…
ヴァージョンアップは慎重に(いやはや…)(1998.09.05)
第1話「光をつかめ!」(脚本:小中千昭 監督:村石宏實)
さぁ、今年もいよいよ始まった新ウルトラシリーズ!「ティガ」が始まった頃、まさか3年連続「ウルトラ」をテレビで観られると、一体どれ程の人々が想像し得たでしょうか?(実は私も「80」の頃の事が頭にあったもんで…)何はともあれおめでとうございます。
と、言う訳で、「ウルトラ」が続くならこちらも続く!今年も偏見視聴記を続ける事にしました。ファンとも思えない様な発言が多い恐れは多分にありますが、基本的に「ウルトラ」好きですので、誤解なき様に(いやはや…)。
さて第1話ですが、「ガイア」って「ウルトラ」の王道を目指そうってシリーズなんでしょうか?まず特撮側から行くと、映像から受ける感覚としては「ティガ」「ダイナ」の頃の、「今流行の映像テクニックを、積極的に導入して新しい画面作りをしていこう」って意識を全面に押し立てた雰囲気とはちょっと違う感じを受けましたね。どっちかっていうと、特撮自体の本来的な魅力、特撮のフィジカルな面にもう一度目を向けようって、いわゆる「原点回帰」的な意志を強く感じたんですが…CGの使用をかなり抑制し、ミニチュア特撮が意外な程多用されてました。こうやって見ると、初回の特撮監督が佐川氏である理由も何となく納得がいきますね。
個人的にはビルを壊す怪獣や地下街の洪水シーン等、久々に特撮番組らしい描写が見られてそれなりに嬉しくはあったんですが、ただ、画面から受ける印象は第2期の頃の映像まで戻ったかな?という感じです。特に吊りの戦闘機が動けません。この間までCGで優雅に飛んでた戦闘機が、CGのシーンは多少あるにせよ、怪獣の攻撃で撃墜される瞬間にかなりもたつきます。それは一瞬止まって見える程。この辺りはまぁ慣れでしょうが、頑張って欲しいです。
今回はメカ描写にかなり力を入れている様で、前2作品では殆ど描かれなかった、基地内部でのメカ発進プロセスがかなり詳細に描かれています。結構拘りが感じられて嬉しくはあるのですが、全体にかなり描写が「軽い」のが気にかかります。基本的に動きに「タメ」がないので、重量感がうまく表現できません。画的にも「ガイア」の映像は全体にかなり明るいのですが、反面ライティングが平板で映像に深みが乏しく、軽い印象が付きまといます。この辺りはきっとバンクになってしまうのでしょうね、少し残念です。メカ描写の基本は「タメ」と「サスペンション」にあり!(いやはや…)
怪獣はちょっとデザイン的な焦点が絞り切れていないというか…今後に期待ですね。メカや衣装のデザインも、ちょっとヤボったくて個人的にはあんまり好きではないです。変形なんかしなくてもいい!もっと問答無用の「カッコ良さ」が観たい!
ドラマ的には、新世代のウルトラマン像を描こうという意志は感じられましたね。結構若々しい世界の様です。ただ、いきなり怪獣があらわれ、それに対抗するウルトラマンが登場する…という展開がそろそろ息切れを起こしているのも事実。小中氏の脚本という事で、その辺り一捻りあるかと思ったのですが、非常にオーソドックスな展開でびっくり。この辺りの筋運び次第でグッと視聴者を惹きつける事も出来たのではないかと、少し残念ではあります。
とりあえず滑り出した「ウルトラマンガイア」。今後もウルトラマンアグルの登場を始めとする「仕掛け」が用意されているので期待してはいるのですが、当初の予想とは裏腹に、かなり「直球」型のストーリー展開が匂ってくる第1話でありました。
不安なる勇者(1998.09.13)
第2話「勇者立つ」(脚本:小中千昭 監督:村石宏實)
さて注目の第2話ですが、初回の2話って実質的なパイロット作品ですからね。むしろ注目すべきは次回以降、通常のルーティンに入ってからのエピソードがどうか?って部分かも知れませんが…
前回、今回と観てくると、どうも今迄の3シリーズの中では、一番新味に欠ける映像になってしまってるみたいで、ちょっとがっかり。確かに結構な物量を投入した、豪華なエピソードではあるのですが、全体的に昭和40年代の映像に、すっかり戻っちゃったなぁという感じで、「ティガ」「ダイナ」の後が、なぜこの映像なのか?って部分、観ている側としてはちょっと納得できないですね。言い方悪いですが、第2期ウルトラの1シリーズみたいな感じです。
シリーズの展開として新たな方向性を見いだそうとしているのは、まぁ何となく分かるのですが、フィジカルな特撮を見せようとしている割には、基本的な描写力が不足で、多用されるミニチュアの動きがことごとく軽いのにはちょっとうんざり。もう一回アンダーソン作品のメディングス特撮を見て勉強して欲しいです。実は今週「サンダーバード」の映画版を久々にLDで観てしまったのですが、これ見るとツラいゾ(いやはや…)。映画版なんかはこれでもメカ描写大人しい方ですからね。今だにあの動きを日本特撮は超えられないのかと思うと、非常に悔しい!
役者の演技の部分も全体的に荒削りで、その意味では今後「大化け」の展開ありかも知れませんが、今回は渡辺-平泉ラインのふんばりで何とか土俵際に留まったって感じです。物語の面も、どうもシリーズ構成もストーリーも詰めは予想外に「甘い」のではないかと思える展開。結構な苦戦が予想されそうな感じであります。今後、小中氏のスケジュール空き状況が鍵でしょうね。
取り敢えず次回はアグルも登場するらしいので、今後の展開に期待しましょう。
禁断の変身アイテム・フル・スクラッチ!(いやはや…)(1998.09.19)
第3話「その名はガイア」(脚本:小中千昭 監督:高野敏幸)
いよいよ通常の流れに乗ったガイアですが、これなら何とかうまくランディングできるんじゃないかという感触の第3話。ストーリーもテンポが上がってきたし、今回はストーリー展開に時間を裂かねばならない関係からか、芝居部分がうまく刈り込まれていて、今迄で一番落ち着いて観てられました(いやはや…)。
高野監督の画作りも冴えていて、オープニングの夜の指令室のシーン(一瞬映るエリアルベースの夜景が綺麗!)なんか、落したライティングの生む陰影が画面に深みを与えて、コレがとても同じセットだとは思えないイイ雰囲気(いやはや…)。結構場面設定にも助けられてはいますが、役者の顔に敢えてライトを当てないシーンを撮ったりと、今後が期待できる滑り出し。演出的にも初回2話の堅さがとれていい感じになってきました。やっぱり「ガイア」も制作順に放映してるんでしょうかね?
芝居関係だとやっぱり我夢と藤宮の演技はギリギリまで頑張ってもらうとして、今回は梶尾リーダーの中上クンが、童顔のハンデを跳ねのける様なイイ味出してました(いやはや…)。地なのか芝居なのか分からない、負けず嫌いで短気な性格が言動からにじみ出て来る辺りは、今後も気になりそうなキャラクターです。
ライトニングの面々にもようやく慣れてきたみたいで、モロ一般人顔のパイロットも、そんなに気にならなくなってきました(いやはや…)。でも、XIGメカの扱いはTACアローといい勝負かも。早くも「イジェクトのXIG」のキャッチフレーズがチラチラと…
特撮は神澤演出が快調で、「ガイア」本来の持ち味がようやく発揮され始めた感があります。ただ、飛行態形のアパテーとファイターが遭遇するシーンは描写が総て操演で表現されていて、ちょっとスピード感に欠けてしまった気がしますね。ワンカットでもCGによるスピーディーなカットがあれば、もっと緊迫感が出たんじゃないでしょうか?
ガイアの戦闘シーンも、ちょっと変わったライティングと陽炎の描写で独特な雰囲気を作ることに成功してました。ただ、今回一番の収穫は、超広角レンズ使用によるオープンの超仰角戦闘シーンでしょうね。空の表情が素晴らしく、スローモーションによる重量感表現とあいまって、上手く巨大感が表現されてます。それから、視点移動をダイナミックにしようと、一部ガイアとアパテーの人形を使ったカットも登場。ただ、こういうのはあんまり多用すると興ざめなので、「ここぞ!」って時にだけ使って欲しいですね。
アパテーのデザインはよく分かりません。あんまり露骨に鎧がモチーフなのは、ちょっとねぇ…エゴス怪人じゃないんだから(いやはや…)。どうもガイアの丸山デザイン、今イチノッってないって感じで、ちょっと心配ですね。
ガイアの殺陣はシーンのつなぎが悪いのか、芝居がバラバラになってて、これじゃ思い込めないですね。エネルギーを消耗して苦しむシーンなんか、最初なんだか良く分かりませんでした(いやはや…)。アグルはホントに顔見せだけ。でも、毎回Aパートのラストみたいな終り方なんでしょうか?(いやはや…)
何だかんだで、意外にもリカバリーは早そうな「ガイア」。次回もいい特撮カットがありそうなんで、期待してます。
リンブンと呼ばないで(1998.09.27)
第4話「天空の我夢」(脚本:長谷川圭一 監督:高野敏幸)
世間では意外に厳しい評価の多い「ガイア」。確かに問題点も結構ある気はするし、隅をつつけばキリない気もするんですが、個人的には今迄の平成ウルトラの中でも、最も今後の物語世界を膨らませられそうな設定なんじゃないかって気はしてます(あぁ、こんな事書くと、なんか格好の「エジキ」になっちゃう気がするなぁ〔いやはや…〕)。
まぁ、どことなく漂う慢心の匂い(前2作では感じられた映像に対する挑戦的な姿勢があまり感じられず、既存のテクニックで無難にこなそうという感が強い)でテンション下げられてる気はするんですが、ドラマ的には新しい世界を目指そうっていうものが感じられるんじゃないかな?(とりあえず、今の処断言はしないでおきますけど〔いやはや…〕)。でもまぁ前2作がかなり忠実に従来の「ウルトラ」のイメージを継承していたのに比べると、「ガイア」はその伝統的なフォーマット、世界観みたいなものを、あえてベクトルずらして、ちょっと違う方向からもう一度観てみようって、どことなく斜視的な意識を感じます。だからこそ、ファンの間では好意的に受け止められていた(私は好きじゃなかったですけど)前作との連綿とした関係を、あえて断ち切ったんでしょうしね。そういう意味で、今回の我夢をバックアップする大学の仲間達って設定も、新しいウルトラ世界を象徴するものじゃないでしょうか?確かに「ティガ」「ダイナ」に於けるウルトラマン像っていうのも、従来の扱いとは微妙に変化していた訳なんですが、イーヴィルティガやテラノイド等、人間がウルトラマンを制御するという展開を経て、「ガイア」の世界では、最早ウルトラの力は主人公の掌(たなごころ)の内なんですよね。多分この世界のウルトラマンは、独立した意志を持つ超自然の存在や宇宙生命体などではなく、主人公の意志のかなり近い部分で動く、パワードスーツの様な存在なのかも知れません。前2作でも何となくそういう感覚はあったんですが、「ガイア」ではその辺りがより明確になって来てる気がします。ガイアにイマイチヒーロー性を見いだせないのも、ガイア自身に明確な感情や意志が表現されてない処が大きいのかも知れません。どうも今のところ「ウルトラマンの皮を被った我夢」ですからね(いやはや…)。
この世界は本質的に(毎回活躍するXIGの面々じゃなく)、アルケミー・スターズを始めとする(地球が危機に及んで自らの意志として生み出した)「新しい世界の人類」による地球防衛の物語なんだと思います。ただ結果として人類の英知の結晶たるXIGは(技術協力をアルケミー・スターズに負っているという設定はあっても)基本的に旧世代の人類に属する訳で、結局天才少年に危機を救われ、大学生に新兵器を開発してもらう訳になるんですね(いやはや…)。どうもこの展開、この辺りの描写をうまくやらないと、XIGは「史上最弱の防衛チーム」の烙印を押されかねない危険をはらんでる気がします(いやはや…)。
「ガイア」は大河ドラマを指向したせいか、シリーズ構成上の「ネタ」はそれなりに考えやすい世界作りがされていて、従来のウルトラが構造的に持っていた「シリーズ迷走」の弱点は、そこそこカバーされてる様なんですが、アルケミー・スターズとXIGの二重構造は結構取扱注意かもしれないですね。結局旧世代は新世代と交代してゆくのが、自然な流れでしょうからね。
ちょっとシリーズに関する話が続いちゃったので、今回のエピソードに触れると…
特撮は仲々豪華でした。こんなにビル壊したのは久しぶりだゾ(いやはや…)。ただ、そういうシーンはいいんですが、怪獣が出ちゃうともうダメで、結構淡々と撮っちゃってますね。「ガイア」はなぜかいつも戦闘シーンのカメラポジションが異常に高く、特撮ステージの狭さが分かっちゃって興ざめしちゃいます。そういう時こそ地平線をCGで加工するとかして欲しいですね。どうも毎回そういうカットが登場するところを観ると、意図的にやってるみたいなんですが、広いステージならともかく、狭いステージみたいなんで、一考して頂きたい処。
後、残念なのは、飛行メカが離着陸するカットがあんまり無いところ。大学に飛来したファイターが大学の広場に着陸するカットは絶対あった方がいいです。これだけでこうグッと世界にのめり込んでいけるモンです。
ドラマ的には前述した様な、XIGと新世代の若者達という二重構造がはらむ構造的不安が露呈して、ちょっと気がかりな部分もあったんですが、大学の仲間達が雰囲気良くて良かったですね。カメラマン、井上倫文役の角田さんもいい味でてます。普通特撮ドラマの報道関係者って、「ドラマの便利屋」みたいに使われる事が多くて、ドラマを楽に運ぶための道具になりがちなんですが、「ガイア」のKCBは今のところ結構うまく話に活かせてるんじゃないかな?
そんな訳で次回は恐怖の放送時間変更(関東地方)。見逃さない様に要注意でございます。
外れたツボは新たなツボ?(1998.10.04)
第5話「もう一人の巨人」(脚本:小中千昭 監督:原田昌樹)
何だかとっても小中さんらしい雰囲気のエピソードでした。小中さんの脚本って基本的にクール(どっちかっていうと「つめたい」って言うんじゃなくて、「冷静」って意味ですけど)な印象が強いんですが、その中に非常にビビッドな部分がチラチラまぶされているっていうのが、本来的なカラーなんじゃないかって、個人的に思ってます(きっと心のどっかには永遠に「くま」も住んでると思う)。今回で言っちゃうと、オペレータ嬢2人のやり取りとか、バスの中で地元の女子中学生(?)に囲まれていたたまれなくなっちゃう我夢とか。エスプレッソ用コーヒーとチーズケーキがお土産だったりするトコとか。ああいう描写って、どうもエピソード内での効果っていうより、本人の嗜好で入ってるんじゃないかなって思ったりもします。つまり作家のカラーの範疇〔はんちゅう〕って感じかも。
ここまで観てきて「ガイア」って、今迄の「ウルトラ」とは別の方向を目指そうっていうのが、より明確になってきてる感を受けましたね。今迄だと主人公にはある程度ヒーローとしての素養っていうか、程度の差こそあれ、一般の人々と比べれば精神的にも体力的にも優れている事が(防衛チームの一員として華々しい活躍をする事で)印象づけられていた訳ですが、我夢に関して言うと、あえてそういう部分に背を向けている様な感じで、或る意味アグルや藤宮以上にアンチヒーローな奴なワケですね。小さい頃には結構コンプレックスもあった様だし…例えて言うならダイゴの持っていた「普通の人」の部分を、拡大させたキャラクターというのが我夢であるという気もします(最低限の差別化という意味で天才ではあるのでしょうが…)。多分ガイアや我夢にヒーロー性を見いだしにくいのは、やっぱり制作側があえてそういう要素を我夢から排除してしまっている部分が大きいでしょうね。
その意味で、私は「ガイア」にはちょっと注目しています。作る側も、観る側も、この手の番組には心地よいツボってあると思うのですが、「ガイア」はあえてそのツボをはずした設定になってる訳です。主人公は人間の時にも知力、体力とも、他の隊員達より一歩抜きん出ていて、危険な場面には真っ先に飛び込んで行くという設定の方が話も作りやすい。おまけにピンチにも陥らせられるし変身の機会も作りやすい(いやはや…)。ところが我夢に関して言うと、知力はともかく隊員としては分析担当の後方支援。進んで前線に出て行くには理由が足りない…あえて話を作りづらい設定になってる部分が、結構気になってるんですが…これは作り手側の「挑戦」と受けとってよいのでしょうか?この展開を上手く描ききる事ができるならば、「ガイア」は新たな地平を切りひらけるはずなのですが…カタルシスの不足をどの様に補って行くかはお手並拝見です。
エピソード的にはちょっと我夢のバックボーンを見せる事に終始してしまった感がありました。こういうのってもうちょっと後でもいいかな?って気はするんですが。アグルはカッコつけてるけど、意外にオマヌケなのが判明。結構情けないです。変に人がいいウルトラ戦士の伝統をしっかり受け継いでます。ニヒルなのがウリなら、やっぱりやられてる時にもカッコ良くなくちゃね(いやはや…)。特撮は北浦監督の演出が冴えて、結構いいカットがあります。ボクラグの巨大感もうまく表現されてます。ただ、デザイン自体はどうもパッとしないですね。次回のガンモンス(ガンQ)といい、ちょっとテンション低いゾ。
ガイアは今回は中村さんが演じてました。やっぱり今回も2人で入るのかぁ…一人のヒーローの体型が毎回全然違うのは、もう嫌なんですけど。これじゃぁ、ヒーローに個性を感じろってのが無理ですよね。固定しちゃった方が役者さんだって思い込めると思うんですけどね。
ブレイクする北浦合成!(1998.10.11)
第6話「あざ笑う眼」(脚本:川上英幸 監督:原田昌樹)
いきなり職場でツラい目に遭ってしまう我夢君。前回に引き続いて登場する少年時代のイメージに、我夢のコンプレックスの深さを見る訳なんですが、こんなにネガティブな主人公っていうのもウルトラじゃ珍しいかも知れませんね。
しかしいきなりコマンダー達の前で我夢に詰め寄る敦子ってのは、「ここって学校やクラブじゃなくて防衛組織なんだよね?」って感じで、ちょっとリアリティに欠けてて残念でしたね。まぁああいうキャラクターなんだろうけど、どうにも素人っぽくて。彼女も(役柄の上では)一応プロな訳ですから、私的な部分と公的な部分ってきちんとわきまえてるのは最低限の常識って奴でしょうね。
ドラマ的には結構展開が早いですが、全体としてはうまくコンパクトにまとめられてたんじゃないでしょうか?そこそこ人間的な葛藤も織り込まれてたし、相変わらず梶尾リーダーはいい味出してるし。いよいよ「ガイア」の指向するカラーって奴が見え始めた感がありますね。丁度「帰ってきたウルトラマン」初期の、組織の中で浮きまくる主人公って上原正三的世界が展開されようとしてるのかなぁ(いやはや…)。
でもまぁ何と言っても今回は、北浦合成の冴えを味わうってのが本来の楽しみ方でしょうね。とにかくこないだまで吊りで硬直しながら飛んでたファイターが、縦横無尽に動く動く!しかもCGと実景の合成も手慣れてきて、かなりリアルな合成を楽しめます。冒頭かなり時間をかけてドッグファイトのシーンを入れてる処から観ても、スタッフの自信が感じ取れます。今回は洗練された合成カットが横溢で、いわゆる「チャチさ」に関してはかなり回避されてると思いますね。ガイアとガンQの戦闘もうまくCGを使った、スケール感のある映像が随所にインサートされて効果的。後はエリアルベースから発進するパースの崩れまくったシャトルの合成を、ちゃんとCG使って撮り直してくれればOK(いやはや…)。
ガンQ自身は結構おフザケ系なんですが、キャラクター的にはちょっと好きな方かも(いやはや…)。
恐怖の報酬(1998.10.17)
第7話「地球の洗濯」(脚本:吉田 伸 監督:児玉高志)
シリーズの中ではそれなりに伏線となるエピソードなのかも知れませんが、結構あっさり流しちゃった感じですね。ここまで観てくると、どうも「ガイア」って大河ドラマを指向してる割には全体にかなりライトな感じがします。これは我夢の個性による部分も結構大きいのでしょうが(あんまり感情が表に出ないしね…)、コマンダー、参謀辺りの描き方にも問題あるような気がしますね。コマンダーや参謀は本来、芝居に重厚さを持ち込みたいという意図で、あえてベテランの渡辺、平泉という布陣を引き、平均年齢を引き上げたにもかかわらず、現在の処、経験を積んだ大人の魅力っていうか、統率力や決断力を見せる様な「光る」場面もそれほどなく、肝心な時には我夢にお伺いを立てないと、にっちもさっちも行かない状態。ちょっと頼りなくて、折角の存在を上手く使えてないのが残念ですね。洗濯機のボディの文字が読めてもそれは違うだろうと(いやはや…)。もっと根本的な部分で精神的な支え、道標的な動きをする必要があるんじゃないかと思う訳です(結構ステロタイプな描写を要求してるのかも知れませんが…)。何だかXIGって地球防衛のためのプロ集団っていうより「公害Gメン」って感じで(いやはや…)。
確かに我夢や大学の仲間達、更にはアルケミー・スターズを際だたせる為に、XIGの面々が打開不可能な状況を作り出さねばならないのは、作劇上やむを得ない面もあるのですが、あんまりそういう面を強調してしまうと、先に触れた「禁断の二重構造」を発動しちゃう恐れは多分にある訳で…先ずはコマンダーや参謀、堤チーフといった重鎮の「プロとしての魅力」をフィーチャーすべきかも知れません。確かに我夢の天才的な能力というのは、この危機を回避するために必要ではあるのですが、実際に作戦を立案し、遂行してゆく責は彼等が負っている訳ですからね。その彼等にプロとしてのリアリティがないと、作品全体に締りがなくなってしまいます。この辺りの経験を積んだ大人の魅力って部分、かの「おいら宇宙の探鉱夫(未完の傑作SFOVAですね)」辺りが上手く描いているのですが…
演出は「ダイナ」で実相寺アングルに目覚めた(?)児玉監督が、特に我夢と藤宮の対峙するシーンでトリッキーな構図を見せてくれます。映像自体は結構手堅くまとまってました。その分、挑戦的な感じではないんですけどね。
特撮は佐川監督のベテランの味が発揮されてて、土煙を上手く使った迫力のカットが観られます。結末はかなりあっけないんですが…
蛇足:
テレ東深夜の「バブルガムクライシス」を観ました。脚本が小中千昭さんと村井さだゆきさんというおなじみの布陣。なぜかこちらも「ヒーロー(この場合はヒロインかな?)になりたいと思ったらなっちゃった」っていう展開なんですけど、個人的にはこっちの方が感情移入しやすいなぁ。ハードスーツというプロテクション・スーツに身を包んだ私設の特殊チームの活躍がメインなんですが、かなりヒロイックな描き方をされていて、いい感じ。「ガイア」での小中脚本と比較してみると面白いかも。
私を笑え(1998.10.25)
第8話「46億年の亡霊」(脚本:武上純希 監督:児玉高志)
共生生物という発想は面白かったんですが、全体としてはイマイチ乗れませんでした。どうも考証ゼリフの乱発で、ストーリーの流れが阻害されてしまった処に問題がありそうですね。多分コレって「ガイア」の抱える「根源破滅の危機」的問題なのかも知れませんが(いやはや…)、今回のシリーズでは、そういう意図があっての事かは別として、我夢が天才であり、しかも分析担当としてXIGの科学顧問の様な立場にあるために、どうしても物事を論理的・科学的視点で(無理矢理)解説しなければならない事になります。
でも視聴者って、必要以上の解説を(言葉で)説明されても面白くないんじゃないでしょうか?そもそも「ウルトラ」を始めとするテレビ、映画のSF(あえて「ガイア」もSFであると言いましょう)シリーズって、メディアの特性を活かしての「目で見るSF」的な視点がポイントだったと思うのです。何もセリフがなくても、映像だけでそこに起きている出来事を、視聴者に明確に印象づける事が出来るからこそ、映像メディアでのSF作品というのは、ここまで数多く制作され得た訳ですからね。
今回の視聴者の立場って「コマンダーは理解されました?」って敦子に聞かれちゃう石室コマンダーそのものって感じで(いやはや…)。しかもまたもや「幽霊」の科学的説明ですか?もういいかげん「幽霊」からは離れて欲しいなぁ(いやはや…)。そういう発想が出てくる事自体恥ずかしい事だと思って下さい。しかも今回は更に悪い事に、難しいセリフで理屈こねられても全然イメージとして画が浮かばないんです(いやはや…)。
「ガイア」はこの「セリフで説明されてイメージが浮かばない」ってヤツが非常に多いんですね。コレってテレビシリーズとしては非常にもったいない展開じゃないでしょうか?折角の映像作品としてのメリットを、完全に否定しちゃってるワケですからね。やっぱり「シーンを言葉で語るな!画でみせろ!」って姿勢を徹底して欲しいですね。
特撮は佐川監督が手慣れた安定感を見せます。森の樹々越しにクラブガンの足が見える登場シーンなんかは、佐川監督がノッてる回には良く登場するカットですが、今回のは多分ご本人もお気に入りなんじゃないでしょうか?今回はファイターの飛行シーンも随所で吊りとCGを使い分け、ソツのない仕上り。特撮に関しては、シリーズ当初はもっと「原点回帰」的方針だったと思われるのですが、やっぱり「一度進んでしまったテクニックは元には戻れない」と悟ったんでしょうか?最近ようやくバランスのいいシーンが出てきていますね。1話での執拗なまでの「吊り」への拘りがウソの様です。
取り敢えずシリーズがもっとヴィジュアルの方向に目を向けてくれるといいんですが…セリフに頼り過ぎの印象がちょっと強いですからね…
呪縛の設定地獄!(1998.10.31)
第9話「シーガル飛び立つ」(脚本:太田 愛 監督:村石宏實)
う~ん、チーム・シーガル初出動の一編だった訳なんですが、1本かけなければいけないエピソードだったのかなぁ?どうもチームをたくさん作ったはいいけど、すべてのチームの活躍を描いていかなきゃならないんで、物語がそれに引っ張られてどんどん本筋から離れて行きそうで…正直中盤まではちょっと退屈しちゃった。太田脚本らしいSF的な味付けだとか、ヒューマンな視点とかは確かに感じられるんですが、それを勘定に入れても疑問は残ります。太田脚本としては珍しく、かなりバックグラウンドに縛られた印象の強い仕上がりになってます。
もうちょっと本質的なテーマの部分で物語が進行してくれるといいんですが、どうも今だに設定的な部分を語らなければならないのは、さすがに時間を取りすぎでしょう。遂に次回はパイロット系チームをまとめて紹介しちゃうそうですが(いやはや…)。とりあえずあえて物語の展開上必要がなければ、その他のチームに関しては設定に留めるような扱いでもいいんじゃないかと思えますね。もう説明しなければならない設定が多すぎて、まどろっこしいったら(いやはや…)。やっぱり骨太なストーリーで、ぐいぐい強引に視聴者を引き込んでこそ、大河ドラマの醍醐味ってもんですよね。
特撮は村石監督が丁寧な描写とライティングで見せ場を作ります。特撮は全体に破綻なく、特に開巻直後のエリアルベースに着艦するピースキャリーのカットは、パースも乱れてないし、仲々いい感じでしたね。ただ、関東地方では今週から始まった、バンダイの玩具CMの映像が結構良くて悔しいですね。自在な視点移動を交えながら描かれるピースキャリーからのファイター発進や、CGらしき雲の上に浮かぶエリアルベースにアップで迫るカットなど、本編をしのぐ映像が続出。これが小さな玩具を使っての映像ってのは、結構悔しい。スタッフの皆様、ぜひともがんばってください。特撮って最後は予算じゃなくってセンスとアイディアでしょうから…
それと初登場の救助メカ、シーガル・フローターはヘリメカ史上一二を争う格好悪さであった事を付け加えておきます(いやはや…)。サイコロ変型の呪縛はメカのラインをガタガタにしてしまうのでありました。
ロックってあんた、このロックかいッ!?(いやはや…)(1998.11.08)
第10話「ロック・ファイト」(脚本:小中千昭 監督:村石宏實)
小中氏の趣味性が出たエピソードでした。一応意図としては娯楽編みたいな感じがしたんですが、あんまり娯楽編でもない処が結構悲しい。メリハリもなくテーッと流れちゃった様なこの充足感のなさ。
チーム・クロウ女性陣のアメリカンな描写もことごとく浮きまくり、なんかうわ滑ったまんま最後までなだれ込んじゃったみたいで、正直結構ツラい部分も多かったですね。娯楽編って基本的にはワクワクドキドキの感覚が演出できるかどうかってトコで出来不出来が決まっちゃうんだと思うんですよ。その意味で今回、脚本家の視点はそこを全く見ていなかったですね。ストーリーなり映像なりに勢いがあれば、多少の演技のヘタさは補えると思うんですよ。でも今回はその「勢い」が感じられなかった。ストーリー展開も緩慢だったし、ひたすら動けないヴァーサイトに宇宙空間で攻撃をしかける映像の連続で、ちょっと飽きました。ディテールに凝って満足してる場合ではないと思うのですが…
多分これは「ガイア」全般に言えるのですが、なんか元気ないんですよね、全体に。元気なセリフ言っても元気ないし(いやはや…)。シリーズがクールなのは小中カラーのせいもあるんでしょうが、視聴者をグッと惹きつける力が弱い気がします。やっぱりこういうヒーロー活劇って、ある程度無駄なアツさ(いやはや…)ってのは必要じゃないかと思うんですよ。例えば(…っていいのかこんなコト言って)昔上原正三氏とかが戦隊のホンとか書いてた頃の作品って、中盤位になるとさすがに御大も疲れてきて、結構投げやりのストーリーとかが続出したりするんですけど(いやはや…)、終盤、敵側の内紛劇とかになると、とたんに息を吹き返したみたいにヒートアップしちゃって、観てる側も思わずノッちゃうみたいな展開が良くありました。そういう書いてる側もノる様な勢いって、こういうシリーズには必要なんじゃないかな?って思います。
特撮はCGを使ってのファイター発艦シーンがいい感じ。村石監督相変わらずセンスの良い映像を見せてくれます。この辺りの映像はここへ来て随分こなれて来た感があります。こういう部分の拘りはもっと発揮しちゃっていいんじゃないかな?コッブIIもサイドのシルエットがきれいな正統派怪獣で、ワタシ的には初代のミラーマン怪獣みたいな奴よりはこっちの方が好みでしたね。
とりあえずもうちょっと視聴者を強引に掴む様な「勢い」を期待したいトコではあります。極端な「駄作」もない代わりに「これはっ!」って傑作もない。連続性はあるみたいなんだが、どうも物語が流れに乗って行かない…もうちょっと強引に、もうちょっと元気に…この辺りが「ガイア」には必要なんじゃないかな?取り敢えずまず脚本家が、この世界を愛着をもって描く事から始めてください。
風水でシリーズを占おう!(いやはや…)(1998.11.15)
第11話「龍の都」(脚本:古怒田健志 監督:原田昌樹)
「ガイア」にもケンちゃん登場の第11話。「ガイア」の本筋からすれば、今回のテーマって、本来的主題である「根源破滅の危機」とどう関係あるのか全然分からなかったんですが(いやはや…)、ストーリーとしては今迄で一番素直に楽しめたんじゃないでしょうか?個人的には「ガイア」で「帝都物語」をやる必然って、はなはだ疑問ではあるんですが、まぁ制作側がノれるんであればいいかな?とにかくまず作ってる側が面白がって撮ってもらわない事には、観てる側は楽しめませんからね。
チームハーキュリーズの個性が、今回のストーリーに生彩を与えていた事は間違いないでしょう。今迄のチームがいずれも理論先行型の「エリート」として描かれていたのに比べ、ハーキュリーズの面々は現場の叩き上げといった感じで、描写に説得力がありました。結構XIG自体、こういう「荒くれ」集団として設定してみても面白かったかも知れませんね。
今回のストーリー、まぁ枝葉末節に拘れば色々不満や問題点はあると思うのですが、制作側が理屈の上だけでなく、感覚としてストーリーを消化できていたというのが、視聴者含めてエピソードをすんなり飲み込めたという事に繋がっていると思います。話的には結構ステロな展開だとは思うんですが、まぁ視聴者の理解を超えない範囲で物語が起承転結していたという点では評価できる一本ではないでしょうか?
特撮は満留監督の特撮が燃えてました。スティンガーの着地シーンもちゃんと入れてくれたし(いやはや…)、地下道セットも仲々いい雰囲気。随所にこだわりのカットがインサートされ、水のスケール感に難があった事を除けば、仲々善戦だと思います。それからスティンガーのモデルはあと一回り大きくして、ちゃんとサスペンション入れてね(いやはや…)
ミズノエノリュウは最初首が出現するシーンの顔がかなりマンガチックで、ちょっと違和感が強かったんですが、対決シーンで全体が現われた時には仲々迫力のある怪獣で面白かったです。いやぁ、デカイデカイ!ガイア怪獣の中でも最大級の大きさじゃないかな?
今回のエピソード、「ガイア」にとっては今後のシリーズを占う試金石とも言える話かもしれません。今迄色々やってきた結果、非常にオーソドックスな作りの今回の様な話が、抵抗なく視聴者に受け入れられるのであれば、そういう従来型の路線に回帰していく可能性は充分あるでしょうから。少なくとも今回のエピソードの様なストーリーの方が、脚本家にとっては書きやすい筈ですからね。取り敢えずは小中さんが、「ガイア」としての本来の路線を示す様なエピソードをモノにできるかどうか、今後の流れはその辺りで決って行くんだと思います。
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