ほんだな
大好きな本たち…
おおしま が好きだった本のお話。
特撮やアニメとは無関係だけど、イマジネーションの翼を広げた素敵な作品達。
それでは、ちょっとお時間を拝借…
一千一秒物語(1923 稲垣足穂)
今から70年以上も前に、こんな素敵な物語が書かれていたのは、何だかとても不思議な気がします。我が国のショートショートの始祖とも言える、宝石箱の様なショートストーリー集。今読んでも全く古さを感じません。全編を貫くモダニズムの香が心地よいです。
黄漠奇聞(1923 稲垣足穂)
一千一秒物語と同年に発表された作品。並外れた才能と武勇に秀でた小国の王、セム王は、次々に勢力を拡大、遂に砂漠の小都バブルクンドに神々の都、サアダスリオンを模した大理石の壮大な都を建設するが…壮大なスペクタクル史劇。
瀬戸内海の夜(1923 梶井基次郎)
「檸檬(れもん)」が名高い梶井基次郎の習作。断片で、完結していませんが、好きな作品です。瀬戸内海をゆく客船上での「私」と、同じ学校の生徒である「彼」との何気ない会話から、自分の内省に落ちて行く描写の繊細さ。瀬戸内海の船旅の描写も非常にロマンチックです。どこか甘美な香のする小品。
魔術(1919 芥川龍之介)
御存知、芥川龍之介の短編小説。全編を貫くミステリアスな雰囲気がたまりません。ストーリーも非常にコンパクトながら、良くまとまっており、ラストの「オチ」も利いてます。
西班牙(スペイン)犬の家(1917 佐藤春男)
私が散歩の途中、林の中で見つけた一軒の不思議な家と、年老いた黒いスペイン犬。一体この家の住人は…。信州の高原が連想される、大人の童話とも言える爽やかな一編です。
美しき街(1920 佐藤春男)
画学生であった「私」の手元に届いた一通の手紙。その手紙が発端となって始まる隅田川河畔での理想都市、「美しき街」の建設計画。理想の街を作ろうとした男の夢と現実…「美しき街」の可憐なイメージが実に素敵です。
光車よ、まわれ!(1973 天沢退二郎)
ちょっと雰囲気を変えてジュブナイル・ファンタジー。ある雨の日に始まる不可思議な事件、それは死の国の叛乱の第一歩だった…息もつかせぬ展開が圧巻。ちょっとハードなファンタジー。大人も充分楽しめます。
大和路(1941 堀 辰雄)
「風立ちぬ」で知られる堀辰雄が、奈良に遊んだ日々の心境を綴った私小説。作者の繊細な感受性が文章の端々から溢れている様で、その清明さに心が洗われる思いです。唐招提寺で作者はこう記します「此処こそは私達のギリシアだ」と…
五十一番目のザボン(1951 与田準一)
小学校の校舎を建てるために、片側の枝を切られたザボンの木。その木に実った51個のザボンに、たちばな小学校の生徒達は51通の手紙をつけ、日本全国へ送り出します。付けられた手紙に届く返事の数々…澄んだ心が、日本のあちこちで響き合います…
〔1933年刊の処女童謡集「旗・蜂・雲」もお勧め(国会図書館で閲覧可能です)。〕
宇宙への序曲/PRELUDE TO SPACE (1951 Arthur C. Clarke)
SF界の重鎮、アーサー・C・クラークの処女長編。人類初の月旅行ロケット、プロメテウス号を打ち上げるべく、世界中の頭脳が集結した「インター・プラネタリー」。宇宙を夢見る人々の姿を描く「オネアミスの翼」のルーツ(?)的作品。因みに時代は1978年だそうです。
竜のいる島(1976 たかしよいち)
夏休み、父親のアトリエがある八間島(はっけんじま)に遊びに来た主人公、梶一郎太は、海中で巨大な首長竜の影に出会います。果たして現代に首長竜は実在するのか?謎を追い求める一郎太…考古学に造詣の深い著者の、リアルな描写に引き込まれます。
ジェニィ/JENNIE(1950 Paul Gallico)
トラックにはねられたショックで、8歳の少年ピーターの身体は、突然真っ白な猫になってしまいます。訳も分からぬまま、人間に追われ、雨の街を逃げまどうピーター…傷ついたピーターを救ってくれた素敵な雌猫ジェニィとの出合いから、ネコの世界での冒険が始まります。猫好きポール・ギャリコの素敵なファンタジー…
亜空間不動産株式会社(1981 石川英輔)
業績不振の不動産屋、村崎不動産本社ビルに突然開いた不思議な穴。何とそこは亜空間への入口だった。突然手に入ったこの広大な土地を、合法的な手段で売るには一体どうすれば?…村崎不動産の面々が考えたその方法とは?…
ロボット(1986 矢野 徹)
無人島に漂着した少年ジョウは、難破した船の中でロボットのキットを見つけます。孤独に耐え、何度も失敗を重ねながらも、ロボットを組み立てるジョウ…そして遂に完成したロボット、フライデーは、いつしかジョウの本当の友人になってゆきます…心を持つロボットと、少年の交流が胸を打ちます。
まだまだあるけど、今日はここまで。続きはまたいつか…
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